西の街「ウトエス」
街に入る前の門で行列ができていた。
「意外と並ぶんだな…。」
「当たり前でしょ。一番人気の街なんだから。」
そうだったのか…まぁ、美味しいものが多いって聞くならば行きたくはなるか。
門番らしき人が一人ずつ何かを聞いて通しているようだ。
「次の方、通行証などはお持ちですか?なければ銅貨2枚かかりますが。」
通行証?
「私はありますが彼が無いので作って貰えませんか?」
トーカは門番にきれいな上目遣いで聞いていた。
門番はすぐ横にいる仲間に合図を送り
「仕方ない。作るのはすぐできるからついて来てくれ。」
と門の横にある建物に連れて行かれる。
二人を椅子に座らせ、一つの紙を差し出した。
「ここで通行証を発行してもらう。まず、ここに名前と誕生月日を書いてくれ。」
フルネームで書こうとしたが
トーカに小声でウルマとだけ書けば良いと言われた。
まぁ、確かにフルネーム書かなくていいなら楽だな。
「書いたか。これが通行証だ。今回は無料だが再発行のときは銀貨1枚かかるから注意しろよ。」
それはやばいな。失くさないように身に着けておこう。
「早く行くわよ。昼の時間は短いんだから。」
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西の街「ウトエス」
交易が盛んでここより西の村から肉や野菜が多くこの街にやってくる。
肉が特に多く専門店が一つの通りに5つはあるぐらいだ。
そのため焼肉や肉刺などの肉のレパートリーがとにかく豊富である。
野菜系は意外にも少ない。
他の特徴を挙げるならば肉の解体技術がすごく高いこと。
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と、トーカに大雑把に街の説明を受けながら、1件の食堂についた。
「他にもおいしそうな店があったけどなんでここ?」
「ここはウトエスで知る人ぞ知る隠れた名店なの。」
へぇ…隠れた名店かぁ。
「何度も来た事あるの?」
「5回ぐらいね。」
結構来てるのね。
「お腹減ったし、早く入ろう。すごくお腹減ったし。」
「あれだけ走ればお腹もすくでしょ。マスター、いつもの。」
うわぁ、常連しか言わなそうな台詞を…。
「お待たせしました。当店おすすめの肉と野菜のはさみ揚げでございます。」
…はさみ揚げ?
「なんか普通に美味しそうなものが出てきた。」
「当たり前でしょ、名店なんだから。」
隠れてるけどな。
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