ギルドの帰り道

「城の警備をする前に教えたじゃない。お金はそこで稼ぐって。」


…あの時の最低限って何も買わないでってことだったのか。



「元々一応の救済として今回の魔物で買い取れる部分があれば割引できたんですが。…仕方ないですよね。」


うっわ。これはやばい。自分の分のさえない…。

「…まぁいいわ。金貨2枚ね。」


受付の人は一瞬驚いた様子だったが咳払いを一つすると、

「…はい。しっかりと。では冒険者の証と領収書をどうぞ。」

「これで冒険者になれたわね。」

「…え?これで冒険者になったってことでいいの?」


「はい。魔物を狩る力があれば普通は冒険者になれますので。」


自分とトーカは受付の人に連れられ受付口まで戻った。

入ったときのような人だかりは全くなく、10人いるかいないかぐらいだ。


「…いつもってこれぐらいなのかな。」


「…えぇまぁ、そんな毎日積極的に来る人はいませんね。…まぁ、あの子だけは例外ですけど。」

…あの子?


あの子ということはまだ年はそれほど行ってない風に見える。

ということは幼い?

となるとどっかで…。


「…ねぇ。」

城の警備のときの子の…


「ねぇってば。」

まさか…あの一言でイラつかせてきた奴なのか?


「ねぇ、帰らないの!?」

「えっ?あ!ごめん。じゃあ帰ろうか。」

変に考えていたせいでトーカに怒られてしまった…。


「もう夜が近いし早く帰ろうって言ってたのに、反応がないから…。」

「ごめん、じゃあ早く帰ろうか。」

トーカの機嫌を少しでもよくするためにもそそくさと帰るが吉だ。



「…あ、服…。」

と2人が離れた後に受付の人が小声で言ったそうだが当然気づかれはしなかった。

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「…ねぇ、ウルマ」

家のところまであと少しの所でトーカが話しかけてきた。


「…何?」

「…あの魔法食らって…ホントに平気だったの?」


「え?うん。」

色んな耐性がついたけど。


…ん?

「…え?なに、あの2つの魔法ってそんなに危険だったの!?」

「違う!一発目は最小限まで加減した魔法だったの。」

…え?

ってことは2発目のあのダム…すごい勢いだった水魔法のほうか。


でも最小限まで加減して盾と兎が一瞬で消えてなくなる温度の火球とかのほうが怖いんだけど。


「2発目の魔法で焦って…。」


「…うん。生きてるし大丈夫。」

なんか…うん。深く考えるのをやめたほうがいいな。


そう、大丈夫だよ…きっと。

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