事故の後

グレップさんがとりあえずと自分を抱え道の端に運んでくれた。


「ほ、ほんとに…心配したんですよ?」

トーカはずっと涙ぐみながら心配してくれる。


えっと…心配かけてごめんな…。


「おいお前!馬の世話してたんだろなんかなんか言えよ!」

グレップが誰かに向かって怒っている。

たぶんあの馬の手綱引きの人だろう。


「はいぃ!分かりました!!あ、朝からの今日の出来事を言います!」

え、朝から?…長くね?


馬の手綱を持っていた人が今起こった事故の一部始終を話し始めた。


「私がいつも通りに朝7時におきて荷物の準備をしてですね…?」

まじで朝から話すようだ。

…長いな、これは。


ということでさっきの事故だけをまとめた結果、


1、荷物を運んでいた馬に何か当たったのか突然暴れ暴走した。

つまりグサッとかスパーン!という感じ?

2、なんとか途中までは方向を綱で操縦ができた。

つまりヒヒーンと叫んでいたと。

3、だが途中からいくら引っ張っても方向を変えることすらできなくなった。

そして操縦者はウワァァァって状態になった。

4、近くの男がそれを止めようと魔法を放った。

誰かがエイッ☆ってやったらしい。その人は打った後事故が起こった後すぐ行方をくらましているらしい。

5、魔法が馬に当たるや否や進路を変え、また走りだした。

馬がアツゥイ!って状態になった結果が、

6、その先にいた自分にあたり馬が止まった。

ドーン!!

と…。


で、当たったものってなんだ?


「俺にもわからない。確認しようとしたらさっきのようなことになってしまったんだ。」

顔は反省はしてるようだが…。


「だが、あなたは馬に弾かれて本当に大丈夫だったのか?」

心配しているのかおっさんが尋ねてきた。


体は全く痛み感じてないけども何か言わないとまずいよな…。

「馬に飛ばされたけど意外に大丈夫だな。体が自分でもこんなに頑丈だと思わなかったよ。」


「そうか!なら良かった!治らないぐらいの大怪我とかしてたらお金とか払わないといけないから心配だったんだ。」

なんかこのおっさん開き直った?


なんかそのまま逃げそう雰囲気があるな…。よし…、

「怪我はしてないらしいが、慰謝料とかは払っておいたほうが身のためだぞ?」

「グレップの言うとおりよ。いくらたまたま怪我がなかっただけでそのまますむことではないわ。あなたの馬にひかれて起きた事故なんだから。」


あれ?言おうとした台詞全て取られてしまった。

仕方ない…。

「ウルマは安静にしてて?」

トーカがさっきから寄り添ってくれているので動くに動けない。

というより頭が膝の上に乗っかっててすごく心地よい気持ちになってしまうんだが。


「わかった。今はこれだけしかないがこの事故の慰謝料の一部として払う。

残りは明日この街のここに来てくれ。」

とおっさんは銀貨5枚と小さな紙をもらった。



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