事故
「いやぁ…登録した順番に仕事のグループが決まるってのはさっき初めて知ったぜ。一応俺はこれまでに2回やってきたんだけどな!」
「わ、私は3回この仕事をやってるからよりも物知りなんですからこれくら知っていましたわ。」
「…なんか二人は夫婦のように仲が良いな。」
ふと思ったことが声にもれる。
「だれが夫婦だって?」
「だれがですか?昨日の朝知り合っただけの人が夫婦な訳ないでしょう?」
…夫婦じゃなかったのか。ってか昨日あったのにこんなに話せるのか…。
自分の言った台詞につられてか
「俺ら夫婦に見られたってよ。」
と、グレップがからかうように言うと、
「…触らないでくれます?汚らわしい。」
「あぁ!?なんだと!!」
とお互い火がついたように暴言を言いあい始めた。
なんかまずい方向にやらかしてしまったようだ…。
正直、仕事よりもこの状況がめんどい。
二人が話している間、逃げるように城に入る人の荷物チェックをしにいく。
そして5分ぐらい時間がたって戻ってくると二人の話はだいぶ進展をみせていた。
「謝るからその話だけは」
「じゃあ謝ってくれます?」
「す、すみませんでした!!」
あれ?いつの間にか上下関係ができてる?
というより5分の間に何があった!?
そしてもやもやとした気分を抱えながら6時間の仕事を終えて後ろの人と交代しようとした時、事件は起きた。
「…お?なんか向こうのほうから馬車がすっごい速度でこっちに向かってきてるぞ?」
「え?」
…何が来てるって?
「ありゃぁ止まりそうにないなぁ。ちょっと魔法を打てば大人しくなるか?」
「馬鹿っ!危険だ!やめろ!」
近くにいた男ははそういうと忠告も聞かず炎を馬に向けて飛ばした。
そして炎を当てられた馬は自分のほうに進路を変える。
え?ちょ。
「ウルマ、逃げて!」
逃げるが遅し、自分は高く空を飛んだ。
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自分は今空を飛んでいる。
なんかこの感じを前にも感じたことがあるかも…。
[耐性:衝撃]を獲得しました。
なんだ?耐性?
"ステータスに追加してあげたんだから見たりとかしてくれないと。それに冒険に早く出かけてくれよ!楽しめないじゃないか!"
あの忌々しい幼女のメタ発言が一瞬聞こえた気がする。
眼が覚めると
「何を楽しむんだ…ここは?」
「大丈夫か?」
「楽しむって馬に弾かれた後、あなた何の夢を見てるんですか…。」
近くから二人の声が聞こえる。
どうやら自分は馬にひかれて今道の真ん中にいるらしい。
「心配しましたよ!」
すぐ横に涙をボロボロ流し始めたトーカらしき姿があった。
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