ジョン・ヘンリー(ディズニー・ショート・フィルム・コレクション中の一短編)

「ディズニー・ショート・フィルム・コレクション」の第一話、「ジョン・ヘンリー」を、字幕版と吹き替え版で何度か見くらべてみました。で、思いました。字幕版も吹き替え版も、以下の部分の訳にちょっと苦労しているようだ、と。


ジョン・ヘンリーの妻、ポリー(黒人):

  John, we're free. You don't have to do this.


ジョン・ヘンリー(黒人):

  Polly, if they steal our dreams...

  they put a chain 'round our souls.


ここって、以下の様な意味だと思うのですが、


ジョン・ヘンリーの妻、ポリー(黒人):

  ジョン、奴隷解放宣言が出されて、

  私とあなたはもう奴隷じゃない。

  好きなように生きていける自由がある。

  今、ここで、元奴隷である黒人の立場を代表して、

  あなたがそう言いたくなる気持ちはわかるけど、

  なにもあなたがそこまでしなくても良いじゃない。

  いまやあなたは一人の自由人にすぎないんだし、

  黒人という人種の立場を

  ここで声高に主張する責任はない。

  私達は私達の家族の私的な幸福を守りましょう。


ジョン・ヘンリー(黒人):

  ポリー、だけど、ここで奴らに俺たちの夢を奪わせてしまったら、

  それは俺たちがいまだに、魂のレベルでは、

  鎖につながれた奴隷だってことを認めることになる。


このニュアンス、翻訳するのにちょっと苦戦してるなって印象を受けました。


まぁ、私達は、アイヌも在日も、きちんとは解放してないですしね。


-- 追記 --

別な言い方をすると、「chain」の伏線がここで回収されてるんだよ、っていうのを、もっと露骨にわかるように訳した方が良いだろう、って思った、ってことですが。


確かにオリジナルではさりげなく回収してますが、それはアメリカ合衆国の人間には自明な伏線だからであって。日本人にはもうちょっとオーバーアクションしないとわかりづらい気がします。私は何度か見直してやっと気付いたし。

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