トウソウ(1)
14
廃墟を後にした二年三組は、脱出の手掛かりを探すべく島の探索を開始した。
「……もし怪物に会ったらどうするよ?」
黒神の友人の一人である男子生徒、
彼も異形の者に出会ってしまった内の一人である。その時彼は、何も出来ず、ただ逃げるだけだった。諏訪はそんな自分を嫌悪した。
『俺はなんて弱いんだ。俺はなんて臆病だ。俺はなんて最悪なんだ。俺はなんで立ち向かえなかったんだ。俺はなんで稲月と蟹江を見捨てたんだ』。
諏訪は自分の弱い精神を憎んだ。
『俺も何かプラスの
「俺は、もう逃げたりしない。力の限り、俺は戦うよ」
諏訪はそう黒神に呟いた。黒神はその言葉から諏訪の思いをなんとなく感じたのだろう。彼は何も言わずに笑顔で返していた。
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