第3話 叩き潰す。コントローラー
柏くんはゲームの対戦で勝つと大喜びし、
負けると本気で怒ります。
そういう人がいると場が盛り上がるので、
対戦ゲームをする時は必ず呼びます。
しかし、彼には悪い癖があります。
それは、怒るとコントローラーに
八つ当たりすることです。
人ん家のコントローラーでも叩きつけたり、
真っ二つに折ろうと力を込めたりします。
ある日、遠藤くんの家で、
対戦ゲームをやった時、柏くんが負けて、
怒ってコントローラーを壁に投げました。
僕はコントローラーを拾い、
操作してみました。
コントローラは壊れていませんでした。
しかし、壁が若干へこんでいました。
柏くんの家のコントローラは、
プラスチックの部分が割れています。
対戦している時に限らず、
一人でゲームをしているときも、
コントローラーを叩きつけることがあるそうです。
割れたコントローラーを僕が見た時、彼は、
「友達のコントローラーは割ってないだろ?それはな、
ちゃんと手加減しているからだ。なっ」
と誇らしげな顔で言いました。
幸い僕のコントローラはまだ無事です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます