5 肉薄する尻
昨日弓菜で学習したように迂闊に尻の前へ顔を持っていくようなことはしない。
博士「まずは一旦溜まったガスを全部だすぞ」
歩「うん、どうすればいい」
博士「マッサージするから腹の力抜け」
歩「ふにゃあ」
べたあ
あゆがその場にへたり込む。
博士「いや、腹だけだ、腹だけ。手足の力は抜かなくていいんだ、四つんばいの体勢は維持しろ」
どんだけ不器用だよ。
歩「ん、むつかしい」
歩「どっこいしょ。これでいい?」
何だか中途半端な体勢で固まっているが気にせずマッサージを始める。
大腸の位置に沿ってのの字を描くようにあゆの腹を押す。
うまいぐあいに力は抜けているようで早々にオナラ。
ぶー、ぶふー、べべべべー、びびびびびい
子供用のビニールプールの空気を抜いているみたいだ。
歩「はかせ、くさくない?」
博士「ああ、くさくないよ、って、がっ! 臭いっ!」
ほんとうに臭くなかったのだが突然臭気の塊に飲み込まれた。
どうも臭い屁と臭くない屁がまだらに混じりあっているようだ。
歩「ごめん、くさかった」
博士「臭い時と臭くない時があるな」
油断しないでおこう。
だいぶ変わってるけどあゆも女の子だしな、あんま臭いとか言ってやったらかわいそうだ。
弓菜なら遠慮しないんだが、あいつ生意気だし。
ぶぶぶう、ぶぶう、ぷ。
あゆの中に溜まっていたオナラはとりあえず出しきったようだ。
新たなオナラが生産される前に昨日の要領で直腸粘膜のサンプルを採取する。
博士「あゆ、ガラス棒入れるからじっとしとけ、動いたら危ないぞ」
歩「だいじょうぶ、かもん」
つぷり
特に抵抗もなくあゆの肛門にガラス棒が差し込まれた。
歩「おっ? おー」
くにくに
歩「おお、これはこれは」
くにくにくに
歩「なるほどなるほど、いかにも」
なんちゅう反応だ。
博士「こんなもんか、抜くぞ」
歩「まって、もうちょっとしたほうがいいかもしれない」
なんでだよ。
理由はわからんが一応要求に応じる。
くにくにくにくに
歩「おっおっおっ、きてますきてます」
ハンドパワーかよ。
くにくにくにくに
歩「おおお! すごいすごい! でかした!」
これはやばいかもわからん。危険な香りが漂ってきたので切り上げる。
博士「はい終わり」
歩「まって、まだもうちょっと」
いかん。完全に変なスイッチ押してしまった。
幼馴染ということで感覚が麻痺していたが冷静に考えたらこれはしてはならなかったことだ。
事案発生どころではなく余裕で逮捕案件だ。
昨日弓菜にした段階で気づいとけよという話だが。
採取したサンプルを手早くプレパラートにして保存。
作業に集中してさっきまでのはなかったことにする。
だが気づけば未だ横に尻。生尻。ぷりんぷりん。
博士「ってオイ、なんでまだパンツ履いてないんだ」
歩「さっきのよかった、もっとする」
はい、スイッチ切れてません。
博士「だめだだめだ、さっさとお尻片づける」
自分で何言ってるのかわかってんのかよ。
こいつズレてるからそういう方面の知識ないのかも。
だがそんなこと教えたらこいつどこまででも行ってしまうような気がする。
歩「まだやる」
博士「こら、顔にケツ近づけるな」
ずずずい
歩「やって。やるのです」
博士「やめなさい」
ぐいぐいぐい
もはや顔と尻までの距離はほとんどない。
この状況に流されるつもりはまったくないがあゆの奴も折れやがりゃしねえ。
ばおん。
博士「屁で抗議しても無駄だ」
歩「むー、はかせ強情」
強情はおまえだ。ケツで攻めてくるのやめろ。
そのときカーテンの隙間から人影が見えた。それが玄関から入ってくる。
ずどどどどど
博士「いいタイミングで弓菜が来てくれた」
いいところで邪魔が入る、これがお約束というやつだ。様式美。
別にそんないいところでもないが。
ばーん
部屋の扉が乱暴に開かれる。
弓菜「コラーッ! あんたたち何やってんのよ!」
博士「助かった、あゆの奴が」
ぺちぺち
博士「ぐほおっ!」
問答無用でぶんなぐられた。
体が地面と平行に飛んでどんがらがっしゃん。
おかしい、ダメージと擬音のバランスが全然合ってない。
今のは「ドゴォ!!!」ぐらいじゃないかなあと思いながら意識はブラックアウト。
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