4 すぐそこにある死
次の朝。
昨晩は遅くまで試行錯誤の末、結局は保留というくだらない結論で床に着いた。
ばあん!
あまり睡眠時間は取れてないのにばかでかい玄関の扉が開く音に起こされると、どだだだだだ、という足音が聞こえてきた。
この足音はあゆだな。
あいつちっちゃくておとなしいくせにやたらパワフルだからな。
まったく、もうちょっと眠らせてくれんかな。
歩「はかせー、はかせー」
部屋の扉が開くやいなや、尻を顔のほうに向けてあゆがベッドに飛び乗ってきた。
ぴょーん。
どすん
博士「ぐおえ」
腹への衝撃に呼吸が詰まり、肺が無意識に新鮮な空気を求める。
そこへ、
ぱぷう
肉体が酸素を欲しているにも関わらずそこへ強制的に送り込まれたのはメタンを主成分とした気体である。
博士「ぐばばばばばばば」
歩「あゆもおなら止まらなくなった」
ぶぴ
コンボ、連撃。音が可愛ければいいというわけではない。
博士「ぐえっぐえっぐえっ」
歩「あゆのおしり見て」
ぱぷぷー
さらに無慈悲な追撃。
博士「あばばばばば」
俺はたっぷり苦しんだあと、最後の力を振り絞って体の上からあゆを押しのけた。
あゆの体重が軽くて助かった。弓菜だったら非力な俺では危機を脱出できなかったかもしれない。
博士「ひどいことはするな!」
歩「だってはやくおしり診てほしかったから」
博士「死んだら見れません」
果たしてオナラ吸って死んだ人っているんだろうか。
いたとしたら心の底から同情する。こんな経験をしたらその辛さがわかる。もうブザマな死に方だとは笑えない。
歩「わかった、ひどいことはしない、だからおしり調べて」
博士「しゃあねえな」
さっさと着替えて準備をする。
眠気は覚めた。先ほどの死の恐怖は睡眠欲求を完全にどっかにやっている。
博士「じゃあパンツ脱いでお尻こっちに向けろ」
歩「うん」
あゆはまったく恥ずかしがることもなく下着を脱いで放り投げた。
博士「こら、そのへんにパンツを捨てるな」
博士「上は脱がんでいい、上は」
全裸になるつもりかよこいつ。
そして四つんばいになると両手でぐわしと尻肉をつかんで広げて見せた。
博士「ぐわし、て、くぱぁどころの騒ぎやあらへん」
あまりの大胆さに心のツッコミも関西弁になっている。
肛門どころかあらゆる困った部分が堂々と丸出しである、いくら子供っぽいとはいえこんな中学生でいいのか。
歩「はやくー、はやくー」
博士「はいはい」
平然を繕って言ったものの、逆にこっちが恥ずかしいぐらいだ。
ガラス棒を手にあゆの肛門を観察する。
小ぶりの真っ白いお尻の中央に色素の沈着のまったくない皺のすぼまり、そのまわりを何十本かの尻毛が取り囲む。
「こいつ案外毛深いな」
と思ったが、もちろん口に出したりはしない。
お人形さんのような外見のあゆがひそかにこんな剛毛をたくわえていたかと思うとそのイメージの落差に何とも言えぬ感情。
これがいわゆるギャップ萌えか。
博士「あゆの所のお母さん綺麗だけどおやっさんゴリラみたいだからな、ゴリラの血統かもわからん」
歩「ん?ゴリラがどうかした?」
ってやべえ、口から漏れてたよ。
しかしあゆの尻にこんなことしてるのあのゴリラに知られたら殺されるんじゃないかしら。
あのゴリラ、広島弁の怖いゴリラ。
「シゴしたれや」
とか
「おどりゃ殺しゃげたる」
とかほんとに言うからな、マジ怖いんだよ。
まあそのことは今は考えず真剣に尻に向かい合うとしよう。
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