第十九話

【平和な世界】

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世界が平和に戻った後、テレビのニュースではまるで、もともと居なっかったかのようにガルスのニュースはやらなくなった。

久しぶりにあの頃の通学路を歩いていると墓地で烈斗さんを見つけた。

彼は雨の中傘もささず、一人で墓の前にたって居た。烈斗さんはこちらに気付くと私を手招きした。

「最後にこいつを飛ばそうと思ってな。」

手には100点の答案用紙で作られた紙ヒコーキがあった。

「これはあの子に手伝ってもらった俺の人生の中で最初で最後の100点のテストだ。」

彼は紙ヒコーキを持った手を地面と水平に後ろに引くと、その手をまるで風を切るように勢い良く前に押し出した。


彼の飛ばした紙ヒコーキは雨を切りながら、まるで僕らを明日へと導くようにゆっくりと、ふわふわと消えて行った。


「また、今度な。紙ヒコーキ。」

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