第十八話

【敵のアジトにて】

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私達は警官を投げ飛ばし、かと言ってもガルスが憑いてると知っているので抵抗はあまりないのだが、全身タイツで国会内へ入った。警官が無線を使い、「全身タイツの4人組が」と言っているのが聞こえる。

「さぁ、まずは左の衆議院側だ。」

私達は警官を倒しながら、左側へ歩みを進める。

そこにはガルスの生みの親、バーバラ・ガルスが居た。そう、いきなりだ。

私達はまず彼と話をしようとした。

「おい、もうガルスを作るのは辞めるんだ。」

烈斗は吠えるライオンをなだめるように言う。

「俺たちだってお前は殺したくない。」

「おマエタチはワタシの気持ちを全くわかってない。私はただリヨウされただけなんだ。政府に囚われたシンユウを救うタメに。」

ガルスが泣きはじめる。

「どういうことだ。」

「私はトモダチがもっと欲しかったんだ。それで人間の善のエネルギーだけで作られるニンゲンを作ろうとした。それに気付いた政府は人間の数を減らすのにチョウドいいと私に負のエネルギーだけで作られる人を作れと言った。当然私はコトワった。でもシンユウを連れて行かれ、作らないと返さないと言われた。それで、作ったら私のナマエを付けられ、私は世界中の人々に批判されて、もう、散々だ。こんな世界壊してやろうと思ったんだ。セイフの人間も殺して私も死のうって…。」

「だからって量産すること無いだろ。」

「うるさい。うるさいうるさいうるさい!!おマエタチは、私の、気持ちを、ゼンゼンわかってない!!」

その瞬間ガルスは黒い煙に包まれゴリラと死神を合わせたような姿になった。ガルス自身がガルスになったのだ。

作戦は無かった。

私たちにこいつを倒せるかもわからない。

ガルスであれ、元は人間だと、相手は相手の考えを持っていたと、そう思うと戦いたくもない。


だけど、それは再び煙に包まれそのまま消えた。


「消えた。終わったのか。こんなにアッサリと」


彼は自分の力には膨大すぎるパワーを手に入れ、死んだ。

バーバラは政府に技術だけでなく、バーバラという人そのものさえ奪われた。

二度とこんな世界を作らないと、その時私は心に決めた。


やることを終えた私たちは、国会議事堂を出た。

ずっと降りつずけていた雨は止んでいて、世界に光をもたらした。


その日の空は青くて広くて綺麗だった。

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