第十四話

【紙ヒコーキ】

4/21

昨日の目玉焼きは黄身が潰れていた。なのになぜ。なぜこんなに手先が器用なのか。彼の作る紙ヒコーキは、全てうまく飛んだ。世界記録並みに。

烈斗は紙ヒコーキが好きらしい。

昨日なんかは、イエローに文句を言われ「男のロマンに口を出すな」なんて言っていた。

紙ヒコーキを作るのは久しぶりだった。昔、神奈子と一緒に飛ばした覚えがあるがあまり考えたくない。彼女はいるけどいないんだ。ここには。

「やっぱ、紙ヒコーキは男のロマンだよな。鷹杉。」

「そうだな。久しぶりだな。紙ヒコーキ。」

「友達みたいに言うな。」

「紙ヒコーキは友達ってか。」

「そうだ。明日、乗り込むからな。」

「どこに。何しに。」

「そりゃ、ガルスの親玉を倒すためにちょっとそこまで。」

「そうか…。やっとだな。」

「あぁ。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る