第八話
【能ある鷹は爪を隠す】
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仲間と共に記者さんをゴキブリから守った俺は自分の事そして仲間のことをこの人に話すことにした。自分で自分のことを話すのは久しぶりだ。数年前亡くなった彼女に話して以来、仲間にも話していなかった。なぜそれを話したくなったかは、自分にも分からない。なんとなくだろう。
唾を飲み、俺は、まず自分の過去から話し始めた。
俺は1989年5月5日に新潟県で生まれた。うちは貧乏で学校に行くお金もなかった。だから国の制度で給食費などを免除してもらっていた。
だから俺は頼んだんだ。サンタクロースに。お金をくれ、普通に学校に行かしてかしてくれって。
そしたら次の日学校に行ける様になったんだ。その代わり家をなくした。
父はヒーローだった。お金を貰わず人を助けていた。お金はなかった。家は消え、俺は高校に、父の演じるサンタクロースから貰った金で必死で勉強した。父を後悔させないために。そしたら最後の試験の日に父は消えたんだ。
未来に父は帰って行った。僕の孫として。そして、この
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