4-11 バージョン2最終攻略

 翌日から、バージョン2の最終攻略が始まった。戦艦同志の空中戦の最中、敵の旗艦に突入したサザンたちは、戦艦の中で遭遇戦をすることになる。戦闘用に強化された、惑星ジュウムの生体ロボット兵たちが襲い掛かってくる。

 敵につかまっている味方の王妃を助けようとして罠にはまるり、王妃と一緒に閉じ込められるサザン達。そこで、敵と味方の王が、双子の兄弟だと知る。自分を取りあったところから、敵方の兄王がおかしくなった。それで、シンに浸食されたと真実が明らかになる。敵の兄王に会おうと思ったら、この王妃を連れて行くしかない。王妃がパーティのゲストになり、クライマックスへと進む。


 魔法師タイプの将軍〈中BOS〉と、戦闘タイプの将軍〈中BOS〉を倒した一行は、旗艦にある王の間に進む。そこでイベントが発生。味方側の旗艦が、この艦に突っ込んできた。

 王の間に行くと、対峙している二人の王。シンに浸食された兄王は、弟と、その妃によって改心するのだが、そこで、シンの浸食核が、周りの浸食した家臣を取り込んで、巨大BOSに変貌してしまう。自分のシン(罪)を抑え込むことができた兄王だったが、大勢のシン(罪)の意識に飲まれてしまう。

 手を伸ばして泣きながら、帰って来てと言う妃。それを抑える弟王。サザン達は、最終戦闘をすることになった。

 第一形態は、王の間で

 第二形体は、浸食した全兵士を取り込んで戦艦の上で

 第三形態は、生体ロボットであるが故、戦艦をも取り込んだ超巨大BOSに変貌する。


 サザンは、飛翔アイテムで空中戦をすることになる。召喚獣だから、そうかなとは思っていたが、まさか、リサが、自力で空を飛んでいるのを見たサザンは、負けたと思った。それも、敵方のファイターのみならず駆逐艦まで、1艘落とした時は「あれは、空飛ぶ、最終兵器だよ」と、舌を巻いた。


 サザン、マーレ、ナーシャは、最終BOSを相手にするので精一杯だ。リサが、早い段階で、召喚獣ゲージをMAXにしてくれた時は、ほっとした。リサが、バハムートになって、敵側の雑魚を一掃してくれた。最終BOSは、自分の部下の戦艦と離されてしまった。サザンたちは、BOSに集中して攻撃する事ができるようになった。


 サザンたちは、何度も死にそうになるが、そのたびにリサが救ってくれる。タイムキープをかけ、それと同時に、オーバータイムをかけると、時間は逆行した。サザンたちのHPとMPが満タンになる。

 更にリサは、BOSにポイズマ〈強毒〉を掛け、更にオーバータイムをかけて時間を進めて、BOSのHPを削っていく。


 最終BOSの全方位攻撃は、稲妻だ。マーレが、水でそれをいなす。しかし、生体ロボットのリサがやられた。ナーシャが、ワホイとアイテムでHPをマーレが、電撃によるステータス異常(しびれ)を回復した。そこからは、全員で、力を合わせて攻撃することになった。


 永遠と続くと思われた戦闘に終止符が打たれる時が来た。3召喚獣のエネルギーゲージが同時にMAXになった。


 サザンは、タイダルウエーブ、癒しの歌、シャイニングバーストを一度に叫んだ。


 戦艦BOSの前に現れる3召喚獣。壮観な眺めに、周りの戦闘の音が止まる。癒しの歌をBGMに、次々と現れる召喚獣たちのエフェクト。空は、光の洪水になった。


 リサのシャイニングバーストによって、戦艦の動力が、破壊された。強護につながっていた兵士たちは、マーレの津波でバラバラにされ、ナーシャの癒しの歌で、浸食核は霧散した。


 轟音と共に崩れ落ちる敵の旗艦。飛翔アイテムのエネルギーが切れたサザンと、元に戻った召喚獣たちが、落下する旗艦から、必死になって脱出を試みる。もうダメかと思ったところに、弟王と妃が、駆逐艦で助けに来てくれた。


 ラストは、惑星ジュウムの美しい自然の映像で幕を下ろした。感動して、サザンの肩越しからそれを見る召喚獣達。マーレは、終わっちゃったと涙を流した。バージョン3は、未完だ。これで、サザンとは、お別れだと思うと、リサも泣けてきた。それが分かるナーシャが、もらい泣きした。


 サザンたちは、弟王が乗って来た駆逐艦の上から、惑星ジュウムを望む。三人が泣きながら一度に抱きついてくるものだから、この駆逐艦から落ちそうになるサザン。


 サザンは、この絶景を見ながら、三召喚獣にお礼を言った。そして本音も、それは、三召喚獣をさらに泣かせる話だった。


「みんな、ありがとな。マーレ、ナーシャ、貸一つだったな。いいぞ、オレの過去の魂を使ってくれて」


「あの夜の話。聞いてたの!」


「その前から、たまに聞いてたさ。二人とも、リサを頼む。さっきの戦闘見ただろ。一人で突っ走ってた」


「ごめんなさい」


「マーレ、オレは、宇宙の宝石が嫌いだ。だけどマーレは、はじめっから嫌じゃなかった。本当だぞ」


「うん、わかってた」


「ナーシャは、自分の世界に何とかして帰れ。大丈夫さ、リサとマーレがいる」


「はい・・」


「リサ、死ぬな。魔女でも、召喚獣でもいい。生きろ」


「サザン」


 リサが、サザンに抱きついた。つられて、マーレと、ナーシャも。


「おじさんとの約束がある。いつもの安全地帯に行こう。そこにリサの両親も来ている。テレポート結晶を使うぞ」

 そう言って、三人にしがみつかれたままテレポート結晶を使った。

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