6-6 ウナの母親

 プルコバのコロニーにあるウナの母親の墓の周りには、ウーナ草がコロニーの大気流動でそよそよしていた。3人は、墓に手を合わせて墓参りをした。


「父さんは、ウナの母さんと話がある。その辺で遊んでいなさい」


 二人の娘は、きれいに整理された花畑の中で花を摘みだした。


 珍しいわ 自分から来るなんて


「見ろよ、もう、話ができるだろ、パンドラだ」


 ウナさんね


 あら、ガイア人


「パンドラだ。土の遺跡地下51層の神殿にいた」


 じゃあ、バース崩壊の・・・・・


「パンドラ、ウナは、魔法時代が崩壊した後も生き残っていた」


 ごめんなさい


 いいのよ、どうせ、私の周りは、狂った男たちばかりだったもの


「ウナになら、当時のことを話せるだろ」


 聞きたかったの?


「実際おれはどうでもいい、こいつが娘なんか作るから、おれは娘のウナが心配なんだ」


 レミーとうまくやってるわ


「だな。娘達は、おまえのことを心配している。それだけだ」


 私は、クラゲから落ちた宇宙の宝石よ。クラゲの中には、友達もいたんだけど、外の世界が気になったの


 海母様なら、火星にいるわよ


「これから帰る惑星だ」


 マイアに会いたい


 マイアって


 クラゲの中にいた時の友達、薄鱗石よ


「今度連れていく」


 クラゲから落ちた後は、魚に食べられて、その魚が人間の漁で捕まって、人の手に渡ったの


「オマエ、外を見たがるな」


 私の意識は、とっても広がってたのよ


 光燐エアーと光燐海水ね


「なんだ、光燐海水って、初めて聞いたぞ」


 海の中の光燐エアー版


 でも、私の持ち主が見つからなかったのよ。人の世界をさまよったわ



 実際は、ウーナ草の匂いを嗅いだ娘たちも、この会話が聞こえていた。二人は、花を摘んで、墓の前に置いた。そうして、墓の前で胡坐をかいている父親の背中に回り二人して抱きついた。


「今いるよ、アンがそうじゃない」

「そうなの?」

「おばあちゃんの友達」


 アンにも会いたい


「何とかする。たぶん、ラミアとナオミに説教された後だぞ。二人もだ」

「はあい」

「おじいちゃんより怖いかも」  


 ウナ、しばらくは一緒ね、新しい体験をいっぱいした?

「うん、お母さん、レミーがね・・」


「わるい、後にしてくれ。パンドラ、もう少し話してくれ」 


 光燐エアーのせいで、魔法師たちの力が増していたわ。私を利用したい人たちばかり


 私の時と一緒ね


 また、戦争になった。魔法戦争よ。それは、私の取り合いだった


「今は、光燐エアーも、その海水もないぞ。良かったな」


 そう、それで、出来もしない癖に、光燐水を操ろうとして連鎖反応を起こしてしまったのよ。巫女様が助けに来てくれた時は、間に合わなかったわ


 人ってバカ


「オマエも、その、人だったんだぞ。まあいい、しばらくパンドラと話をしてやれ、たぶんこいつの傷は、お前より深い」


 わかったわ


「ウナ、パンドラは、母さんに任せるんだ。レミーお前もだ」


「うん」

「わかった」


「悪いな、リンドウは、今度だ」


 友達もできたし、急がないわ パンドラ、よろしくね


 ありがと


 サザン達は、宇宙服を着ていない。少しの間なら、ここに住みたいと思った。しかし、パンドラのためだ。「ラミアとナオミに怒られに行くぞ」と、二人をけしかけた。

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