Ring ran

回る天球のその向こう、砕かれた宝石と朽ちた銀幕。

銀河の閃きにただひととき楕円を描いた繋ぎ目が見えるだろうか。


名前を付けてもらえない孤独。

名前すら必要としない孤高。


永劫と煌めくこの空。

悠久を揺らめくかの風。

永遠に降りしきるあの雨。

唯一の赦しを得て夢を見る。


震える体は水面に怯えているのか。

躊躇う心は浅瀬に竦んでいるのか。

恐れる命は海原に燃えているのか。


溢れるほどの燎火。

最も立ち昇る篝火。

想いを灯すリクニス。


巡る熱量の回路図が干渉するこの世界へ。

最果ての湖畔から贈られた祝福を。


根拠のない確信をもって曖昧な先へ踏み込む。

先の見えない、辿り着くべき場所すらわからない未来へ。

長い道のりである、遥か遠い景色で何が見える?


晴天を往け。

導きの光は天に。


満ちていく輝きを握り締める。

カーテンコールに別れを告げて。


縋り飽きた理想像。

繰り返すコンフリクト。


燦々と蠢く絶望へ、摩天楼の旗を掴んで告げる。


最高潮を共に逝こう。

巡る世界を愛する者よ。

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天の宮の詩の音 天宮詩音(虚ろな星屑) @AmamiyaSionn

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