金
柔らかく、傷の付きやすい無垢なる輝き。
どこまでも存在を主張する、高貴な定め。
欲望のままにかき集めるのは簡単だ。
その身を穢すのはもっと簡単なのだろう。
巡る金は繋がっている。
どんな色にでも染まることはできない。
何物でもないということは、逆に何物にもなれる。
不器用な性格を映し出す裏面も。
大切に、大事に隠し続ける表面も。
触れた輝きすら、誰も知らない願いを映す。
無限に広がる空の下で、この願いは誓われた。
誰も知らない明日へと、この祈りは紡がれる。
流されないほど強いのに。
囚われないほど儚いのに。
靡かないほど美しいのに。
思いを載せて、満たされない誰かのために。
涙も汗も血でさえも、その輝きは曇らない。
その愚直さは、切なく、哀しく消え去っていく。
時を超えて刻まれた。
並び立てないロンリーワン。
最初から最後まで、籠の中から抜け出せない。
孤独な王は独り、その狭間にただ、夢を見る。
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