果てを観る星
星の瞬く空の下で、僕たちはただ眺めている。
誰かが、その命を燃やす過程を。
星の瞬く天の下で、我らはやはり眺めている。
誰かが、その人生を駆け抜ける過程を。
空が瞬きの中に消えても、世界はいつも通りだった。
天が刹那の中に溶けても、星々はいつも通りだった。
証が、欲しいと思う。
だれか、数え切れない誰かたちの、人生を物語る証。
何か残し、何か伝え、何か紡ぐ。
そんな、証が欲しいと思う。
夜空に煌めく星たちは、今日も天から眺めている。
愚かで、卑しく、矮小極まりない、ヒトの歴史を眺めている。
夜空に煌めく私たちは、明日も空から眺めている。
残酷で、儚く、美しい、誰か達の、人生の軌跡を眺めている。
羨ましい、ああ、何と妬ましいのか。
刹那に輝き続ける、その命の煌めきが。
虚しい、ああ、なにより哀しいのか。
永遠に輝き続ける、その焔の煌めきが。
きっと、何より大切な。
それでも見える、その果てが、たまらなく、そう、愛しい。
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