天の宮の詩の音

天宮詩音(虚ろな星屑)

泡沫の火

探し求めたものがある。悠久のような導く火

狂い焦がれたものがある。瞬間のような命の火

それではいつか気付くのだ。

三日月の夜に気付くのだ。


探し求めたものがある。喧噪けんそうのように彼方の火

狂い焦がれたものがある。静寂しじまのように遥かな火

それならばいつか気付くのだ。

半月の夜に気付くのだ。


探し求めたものがある。願いのような刹那の火

狂い焦がれたものがある。祈りのような永遠の火

そうしていつか気付くのだ。

朧月夜おぼろづきよに気付くのだ。


探し求めたものがある。星空のような優しい火

狂い焦がれたものがある。太陽のような儚い火

それならいつか気付くのだ。

満月の夜に気付くのだ。


探し求めたものがある。人生のように輝く火

狂い焦がれたものがある。夢幻のように揺らめく火

それでもいつか気付くのだ。

新月の夜に、気付くのだ。


蜻蛉かげろうのような幻想の中、巡る時の哀しさを知り。

泡沫うたかたのような現実の中、廻る時の喜びを知る。

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