第32話「最強の対人スキル」
「ミツルギ、先に言っておくが俺はこの勝負に手段は選ばないからな……どんな卑怯な手だって使うぜ」
「かまわない。それを僕は真っ向から返り討ちにしよう! しかし、君の武器はさっきの勝負で折れてしまっているが大丈夫かな?」
「それなら心配無用だ『キャプチャー』」
俺がそう言って右手を突き出し『キャプチャー』を発動させると、ミツルギが地面に突き刺さしていたエクス・カリバーが俺の元に引き寄せられてきた。
「僕のもう一つの剣が!『スティール』じゃないのにどうして!」
「見てのとおり『キャプチャー』は物を引き寄せるスキルだ。だけど、このスキルは他人の所有物に対しては発動できない。でも、一つだけ例外があってな……元々の持ち主が俺の物に対しては発動できるんだよ! つまり、最初から言っているがこの剣は俺の物なんだよ! 分かったかコンチキショー」
そして、俺はそのままエクス・カリバーを持ってミツルギに飛び掛った。流石は本来俺が手にするはずだった神器、手に持っただけで俺のステータスが全体的に上がったような気がする。これならさっきまで見えなかったミツルギの動きがよく分かるぜ!
「くっ! また不意打ちか……だけど遅い!」
「甘い!『フラッーーシュ!』」
「う、うわーーっ! め、目ガァアアアアアアアアア!」
とっさに俺の攻撃を避けて俺の背後に回ったミツルギに対して俺は瞬時に左手だけを後ろに向けて強力な『フラッシュ』の目潰しを発動した。それをモロにくらったミツルギは両目を押さえながら地面に蹲っている。
「くっ……あ、目が……目が……っ!」
「おい? 勝負の最中に蹲ったりなんかして大丈夫か?」
「っ! くっ……」
俺の声を聞いた瞬間、ミツルギはハッと顔を上げて直ぐに俺から距離を取ろうとして――
「『動くな!』」
「なっ! か、体が……」
俺は距離を取ろうとするミツルギに向かって『ヒュプノ』のスキルを使いながらその動きを止めた。
「『目を開けろ』」
「なん……だ? これ、は……」
「『フラッシュ!』」
「ああああああ! 目ガァアアアアアアアアアアアアアアア!」
そして、動けないミツルギに『ヒュプノ』で目を強制的に開けさせてその目に『フラッシュ』を叩き込む!
「『動くな』『フラッシュ!』」
「ああああああああああ! め、目がァアアアアアアアアアアア」
「『目を開けろ!』『フラッシュ!』」
「いぢゃあああああああああああああああ!」
「もういっちょついでに『フラッシュ!』」
「ぴゃあああああああああああああ!」
「うわぁ……まるでマサヤが悪者ですね」
「最悪の場合ヒールで目は治せると思うけど、あの攻撃結構えげつないわね……」
「ふむ、流石はマサヤだ! 私でも恐れるくらいのドSっぷりだ!」
『ヒュプノ』のスキルの力で動きを止められ、強制的に開かせた目に直接『フラッシュ』を叩き込まれて地面を転がるミツルギを見て、るりりん達はそれぞれの感想を口にした。
「やっぱり『ヒュプノ』のスキルは対人戦だと最強だな。こんなんだったら、最初っから正々堂々とか気にせずに『スキル』を使って戦えばよかったぜ」
「くっ……目が……真っ白で何も見え……」
さて、これ以上はミツルギの目が失明しかねないし、そろそろ終わりにするか。
俺は改めて『ヒュプノ』のスキルを使った。
「『ヒュプノ! 安藤マサヤが命じる! お前は今すぐどっかに頭をぶつけて気絶しろ!』」
「ハイ!」
そして、俺の命令(催眠)通りミツルギは土下座をする勢いで地面に頭をぶつけて気絶した。
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