STEP12:〈ごーいんぐまいうぇい!〉
【01】街外れの丘にて
商人「このことは街には?」
兎「まだ言ってないよ。パニックを起こす前にキミ達にどうするべきか聞いてみようと思ってね」
少年「どうする……ってみんなで逃げるしか……」
兎「いや、別にあいつらの狙いは街じゃないんだからさ。そのツルギさんを連れて盛大に魔力を撒き散らしながらどこかに持っていけばいいんだよ」
剣「しかし……」
少女「んー!……んー!」グーッグーッ
眼鏡「……うんともすんとも」
兎「それ、少女ちゃん以外も抜けないの?」
少年「ぼくは前にやってみましたけどダメでした」グーッ
眼鏡「……私も」グーッ
商人「よっ……んっ……こりゃ私にも無理だな」ググッググッ
怪盗「……うーん、そうだね。ボクにも無理だ」ガッガッ
剣「勇者の剣たるもの、そう易々と抜けるわけにもいかんのだ。……私自身の意思でどうにかなるものでもないのだがな」
怪盗「やっかいな代物だね、ホント」
◆
怪盗「まぁやっぱり無理だよね。正直提案はしてみたけど、期待はしてなかった」
商人「おいおい……だったらどうするんだ?」
怪盗「……まぁ逃げるしかないかな。とはいえ三日はあるんだ。住人を逃がすには十分なんじゃない?」
少女「逃げたらツルギさんはどうなるんですか?」
怪盗「ボクにはどうもそれをどうにかする手段がやつらにあるようには思えないんだけど……最悪、叩き壊されるだろうね」
少女「……そんなの!」
怪盗「でも、逃げなければ叩き壊されるのはこの街であり、この街の人々なんだよ」
少女「!……でも!」バッ
少年「少女ちゃん……」ガッ
剣「……私のことを気にする必要はないのだぞ」
少女「そんなこと!できるわけないよ!」
商人「時間はあるんだよな?」
怪盗「たっぷりってほどではないけどね」
商人「街に呼び掛けるのは明日まで待ってやってくれないか?一晩考えれば……何か、何か思いつくかもしれないだろ……?」
眼鏡「……らしくない」
怪盗「うーん、大丈夫じゃないかな。オススメはしないけどね」
少女「ツルギさん……」
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