STEP10:〈あこがれの先を描き出して〉
【01】街外れの丘にて
少年「あ、そのリボン、鍛冶屋さんに貰ったの?」
少女「うん!マゼンタベリーで染めたリボンだって!わたしのために作ってくれたの!」
眼鏡「……綺麗」
少女「えへへー、ありがとー」
剣「よく似合っているな」
少女「うへへ~。ツルギさんもそんなに褒めてもさくらんぼしか出ませんよぅ」グリグリ
剣「押しつけるな。食えんと言っておろう」
少年「なんというか……少女ちゃん、ちょろいね……」
◆
剣「こんなところでゆっくりしておってよいのか?明日はパーティに出るのであろう?」
少女「えへへ!鍛冶屋さんがもう一日なんてあってもなくても同じだから元気にパーティに行けるように今日は休みなさいって言ってくれたんだ!」
剣「それはある意味諦められてないか……?」
少年「結局そんなに踊れるようにはならなかったね」
眼鏡「……こけないか心配」
少年「少女ちゃん、剣もそうだけどダンスも飲み込み早いよね」
眼鏡「……魔法もそう」
少女「ふふふ!そんなに褒めてもさくらんぼしか出ないよ!」スッスッ
眼鏡「……ちょろい」モグモグ
剣「この街のパーティというのはどのような人間が集まるのだ?」
少女「そういえば、わたしも詳しくは知らないかも。なんだか毎月やってるよね。いろんな国の人が集まってて……」
眼鏡「……」ジーッ
少年「眼鏡ちゃん、視線で僕に説明を促すのはやめて……。えっと、なんだかこの辺りの街の報告会?みたいなものも兼ねて毎月パーティをやってるみたいだよ」
少女「へぇ……。なんでこの街なんだろ?」
少年「最初のこの街の王様が引きこもりがちだったからこの街に集まるようになった……とか何かの本で読んだような?」
剣「少女のように街の人間が招待されることもあるのか?」
少年「一応毎回抽選で何人かは選ばれてるみたい。だけど、少女ちゃんみたいに名指しで呼ばれるのは珍しいのかなぁ?……聞いたことないかもしれない」
少女「なんでわたしなのかな?」
少年「少女ちゃん最近、いろいろやってるからね。わからないでもないよ」
◆
商人「……おっやっぱりここか」
少女「商人さん!ここでは初めてだ!」
商人「そういやなんだかんだであんたとは初めて会うんだな、ツルギさんだっけか?」
剣「ふむふむ。少女達の話に出てくる商人というのはおぬしか。少女が世話になっているようだな」
商人「あっはっは。まるで保護者だな。こちらこそ、眼鏡が良くしてもらってるみたいだな。これからもよろしく頼むよ」
少年「商人さん、こんなところまでどうしたの……?」
商人「あぁ、そうだそうだ。みんな、私の部屋まで来てくれないか?」
少女「……部屋?」
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