【02】商店にて

商人「ダンス?……私には無理だな」


眼鏡「……やっぱり」


商人「そこ、やっぱりとか言うな」


少年「……全滅じゃない?」


少女「怪盗さんはどうかな!?なんか踊れそうじゃない!?」


眼鏡「……最近、見ない」


少年「そういえばそうだね。どこかに行っちゃったのかな」


商人「眼鏡がタコ殴りにしたはらひゃにゃいひゃ?……いはいいはい!やめへ!」


眼鏡「……」ムニムニ


少年「眼鏡ちゃん、商人さんのほっぺたをつまむのはやめてあげて……」


少女「もういっそわたしたちの踊りを作り出していけばいいんじゃないかな」


少年「少女ちゃんはいったいどこを迷走してるの」


眼鏡「……八刀流ほどでは、ない」


少年「それはやけでやってるわけじゃないからね」


商人「もう街ではすっかり曲芸師の坊やで伝わるようになってるがな」


少年「えっ……さっ、最近では浮遊魔法で八本の剣をある程度自由に動かせるようになってるんですからね!」


眼鏡「……八本持つ意味は?」


少年「……強そうでしょ?」


商人「やっぱり曲芸だな」


少年「た、大剣も使えますから!」


商人「さてと、ダンスだっけか?確か薬屋のおじさんの息子が踊れると聞いた気がするな」


少女「薬屋さん……?息子さんいたんだ!」


少年「ぼくも初耳だなぁ」


商人「あんまり仲良くはないらしいけどな。私がその話を聞いたのも愚痴のようなものだったし」


少年「引き受けてもらえるのかなぁ?」


商人「アテがないよりはマシじゃないか?」


少年「まぁ、確かに」


眼鏡「……少女はもう行った」


少年「えっ!?ほんとだ、いない!」

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