【02】商店にて
商人「はいはーい!よってらっしゃーいみてらっしゃー……おっ。おかえり!帰ってきたのかい?」
眼鏡「……ただいま」
少女「ただいま商人さーん!魔法の修行は剣の修行と違って頭を使うから爆発しそうだよー!」
商人「はっはっは。私はそれが辛くて諦めたな。こんな職業だから薬草や地域の文化なんかの他の知識も色々詰め込まなくちゃなんないし。まぁ初級魔法程度なら一通りは使えるが……」
少女「一通り!?私より全然使えるじゃないですか!!」
眼鏡「……少女も、まだ習い始めなだけでセンスはあると思う」
少女「ほんと!?よし!頑張る!」
少年「少女ちゃんは単純だなぁ……」
商人「少年くんは魔法の修行はしないのか?」
少年「ぼくは剣の方で手一杯で」
少女「少年くんはほんと剣一筋だもんねー」
少年「ははは、こだわりとかじゃないんだけどね。さっきのツルギさんの話を聞いてたら僕も二刀流とか始めてみようかなぁって思っちゃった」
少女「なんかかっこいいもんね二刀流」
商人「はっはっは。案外一刀流だと少女ちゃんに抜かれそうで焦ってるんじゃないか?」
眼鏡「……そのうえ、少女は魔法も身につけはじめている」
少年「アセッテナイデスヨー」
商人「私も世界を回ってきたぶん武具を売ることもあったから色々な剣士も見てきた。二刀流や、普通の一刀流。……銃剣と言ってな。銃と剣が合わさった武器もある。背丈くらいの大剣をふるう人間もいたな」
少年「へぇ……大剣もかっこいいですねぇ……自分に合った武器ってなんなんでしょう……?」
商人「かっかっか。さぁね。私は剣は使えるが、剣士ってわけではないからなぁ。言ってしまえば銃も使うし、魔法も使わない訳じゃない。聞いたことはないが、まぁみんなそれぞれ自分の武器が好きだからとか、仲間の武器との折り合いだとか、色々あるんじゃねぇか?」
少女「うんうん。どれかを使わなきゃいけないってわけじゃないんだから、使いたいものを使えば良いんだよ!自分の使いたいという心を信じて!私は勇者になりたいって思ったから剣を始めたし、魔法を始めたよ!」
眼鏡「……名言だなー」
少女「平坦な口調でそう言われると何故か恥ずかしくなる……」
少年「ははは……そうだね。でも、商人さんや少女ちゃんの言うとおりかも。世界一の剣士ってのも漠然としすぎてたかな。……もう少し、悩んでみるよ」
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