STEP04:〈オリジナルスター!〉
【01】街外れの丘にて
少女「焼おにぎり食べる?」
剣「食えん」
少女「えーっ。初級火炎魔法で焼いてみたんだよ」
剣「食えんのだから仕方あるまい。というか魔法の使い道を間違ってないか」
少女「この宝石のとことかに焼おにぎり押し込んでみたら食べられたりしないかな?……魔法ってなんかかっこいいからつい使っちゃうんだよね。それに勇者って魔法使うんでしょ?勇者っぽくない?」
剣「汚れるだけからやめろ。それにもったいない。……勇者の中には魔法は使えん者もいたがな」
少年「魔法を使えない勇者もいたんですか?」
剣「うむ。しかしその剣の腕はまさに一流であった。そやつは二刀流であったから、お主の目指す世界一の剣士とはちょっと違うかもしれんがな。剣だけで山ひとつを崩したという伝説もある」
少女「もうそこまで行くと腕の力でツルギさんを抜いたんじゃないのかな……」
剣「はっはっは。確かにそうかもしれんな」
眼鏡「……魔法だけの勇者は?」
剣「それはお目にかかったことがないな。私が剣だからかもしれんが」
眼鏡「……」ムゥ
剣「そう残念がるな。魔法使いだって勇者に引けをとらぬ伝説を残しているぞ。私も何人もすごい魔法使いを見てきておる」
眼鏡「……おねえちゃんは?」
剣「うむ。すごかったぞ。彼女ならば山ひとつ程度崩せるのではなかろうか」
眼鏡「……そっか」
◆
少女「ツルギさん、イチゴ食べる?」
剣「食えん」
眼鏡「……わたし、貰っていい?」
少女「いいよ!少年くんも食べる?」
少年「うん、貰うよ」
少女「これね、八百屋のおじさんに貰ったんだけど、"今年は色々豊作だー!"って言ってたよ」
少年「そういうのもツルギさんの影響なのかも知れないね」
剣「……剣は街や国によっては神聖な道具と言われるようであるからな。ある程度の加護が憑いているのやもしれん。……私自身に自覚はないがな」
眼鏡「……本当にツルギさんの影響なら、まるで神様そのもの」
少女「えーっ……抜かない方がいいのかなぁ?」
剣「少女が抜かずとも私はいつかは抜かれる運命だよ」
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