STEP03:〈マジカルステップ〉
【01】街にて
ガヤガヤ
少年「少女ちゃん、今日も丘に行くの?」
少女「うーん。そうだねぇ……」
ドンッ
ゴロゴロゴロ……
少女「きゃっ……す、すみません!リンゴが!」ヒロイヒロイ
商人「おっとっと、お嬢さん。こちらもごめんよ」ヒロイヒロイ
少女「いえ!わたしの不注意でした!」
商人「いやいや、私も余所見していたのさ。ほら、眼鏡も手伝いな」
眼鏡「……はーい」ヒロイヒロイ
◆
商人「……よーし、これで全部かな。お嬢さん、ありがとう。そこの少年も手伝ってくれてありがとうな」
眼鏡「…………」クイックイッ
商人「そう袖を引っ張るな。眼鏡も手伝ってくれてありがとな」ナデナデ
眼鏡「……よし」
少女「……商人さんですか?」
商人「ん?あぁ、北の方の街から来た……ってダジャレじゃねぇぜ?これでも私はピチピチのおねーさんだからな、親父ギャグなんて寒いこと……あ、この寒いってのは北とかけてるわけでなくてだな?……って、ん?」
少女「…………わたしに魔法を教えてください!!!!」キラキラ
商人「えっ」
◆
商人「なるほどなるほど、喋る剣を抜く為ねぇ。喋る剣、喋る剣。聞いた記憶があるような、ないような」
眼鏡「……剣だけでなく勇者一行の持つ魔装具は意思を持つという伝承は確かに、ある」
商人「ははぁん、しかしそいつは売り物にはできそうにはないな。そんなもの持ち歩くのは危険そうだし、何より……」チラッ
少女「?」
商人「お友だちのようだしな。しかし本当にそいつが勇者の剣なのだとしたらアレの原因はそいつっぽいな」
少女「アレ?原因?」
商人「いやね、流石にここみたいな魔力が薄い地域でも、魔物ってのは少なからずいるもんなんだ。……それが、ここまでの道中ちっとも会わなくてね。そいつが何かしているのかもしれないな」
少女「は、ははぁ」
少年「少年ちゃんいまいちよくわかってないでしょ」コソコソ
商人「しかし、すまないな。北から来たといっても私は魔法をさして使えないんだ。もっぱら剣と銃頼りでね。そん代わりこいつは魔法のエキスパートなんだが……」
眼鏡「…………」メガネクイックイッ
商人「まぁ、見ての通り無口なやつなんだ。教えるには向いてないかもしれないな」
少女「大丈夫です弟子にしてください」キラキラ
眼鏡「…………」グッ
商人「あっはっは。よかったな。いいってよ。しかし、その前になんだな。その眼鏡を喋る剣のところに連れていってやってくれねぇか?私は今晩の宿を見つけてくる。夕方には……そうだな、そこの食堂にでもいることにするからさ」
少女「ほんとですか!?やったぁ!……わかりました!!」
少年「なんというか、あやしくない?」コソコソ
少女「いいひとだよ!魔法を教えてくれるんだよ!」コソコソ
眼鏡「……聞こえてる」メガネクイッ
少年「ひぃ」
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