No.100【雨宿りの果て】

少女「さて、駅ですね」


男「着いちゃったな」


…………


少女「えっ……と。あのっ。また電話かけますねっ」


男「お、おう。そうだな。今度は三年後とかにならないようにな」


少女「なりませんよ!」


男「ははっ、まぁあまりにかかってこなかったら俺からかけるよ」


少女「むぅー。大丈夫ですよもぅー」


男「……さて、もう行こうかな。電車も来るし。また会おうぜ。次は祭りに行く計画でも立てようか。タオル返しに来るからさ」


少女「はい。それでは……お待ちしてます」


男「なんだかテンション低いね?」


少女「こういうお別れの瞬間って苦手なんですよ、ちょっと寂しくて」


男「はは、わかるな。まぁまた会えるよ」


少女「……そうですね」


男「あ、そうだな、うん。"また会おう"……これが今日最後の約束。……まぁ他の約束と被ってるようなものだけど。シンプルで、良いだろ?」


少女「今日は約束だらけの一日ですね」


男「そんな一日も、たまには悪くないだろ?」


少女「破ったら針を一億本くらい飲むことになりますよ?」


男「お互い様だよ」


少女「そうですね……悪くない約束の束です」


男「それじゃあ、またね」


少女「……はい、さようなら。……いえ、またね、です」

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