No.99【青春の此方】
ポツポツポツ
少女「私、ビニール傘に雨が当たる音って好きです。」
男「なんか落ち着くよな」
少女「というかこれ相合傘ですね。男さん。青春っぽいですよ。青春」
男「言うと思ったよ……青春を追い求めてるのか?」
少女「そりゃあ華の女子高生ですからね。青春はいつだって日常に見出だしたいです」
男「日常だったか……?」
少女「……」メソラシ
男「……触れないでおこう」
少女「日常か非日常かはさておき、今日お話ししたことも今日のシチュエーション全ても全部全部青春っぽいなぁと思います。素敵な時間でした」
男「お、おう。そうだな?青春の相手が俺みたいなのでいいのか?他にいないのか?友達とか好きな人とか」
少女「青春は人がお互いに与えあうものですからね。時間の共有に付き合っていただける方がそこにいるだけで十分です。よくアニメや漫画では絡められがちですが実質的には恋情や友情なんてのは二の次だと思いますよ」
男「ふむ……友達がいないと青春は生まれないってのはわかるかなぁ」
少女「端的に言ってしまえば友情や恋情なんてのは青春に必要な条件などではなく、青春の生み出した結果であるわけです」
男「あぁ。それはわかりやすいな」
少女「さて、私達もこの短い間に何かを積み上げられたでしょうか?」
男「……さて、どうだろう?」
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