No.60【飴景色】

少女「子供の頃のよくある話ですが、もしも空から飴――キャンディが降ったらどれほど幸せなことであろう、と考えたことはありませんか?」


男「まぁ、一種の言葉遊びだな」


少女「そんな高尚なものでもありませんよ。ただの妄想です。でも本当に降ったら楽しそうだなぁーって今もときどき思いますよ?」


男「んー。飴が降ったら痛そうだが」


少女「でも街に色とりどりの飴玉が降り積もって染め上げるというのは中々に壮観だとは思いませんか?」


男「そう言われてみると確かに雪景色の百倍は見応えがあるかもな。人生に一度くらいは見てみたいかもしれん」


少女「ふふ、いつか空からキャンディをばらまいてくださいね」


男「宝くじでも当たったらな」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る