死ぬか生きるか突きつけられたこともあったなあの第3話
今日は雨、という天気予報の割に曇った空は明るめ。
病院の窓から見えるのは空だけじゃなく、建物と山もある。
桜の名所が少し遠目だけど見えたりするし、そう悪くはないかも。
気温は快適温度に保たれているので季節感はないけどな。
むしろ、体調によって暑いか寒いか変わってしまう。
さて、表題の話。
本当のところ、今でも治療過程で結構同意書は書くことになるので、その何割かは生死に関わっていたりするのだが…。
とはいえ、人間慣れるもんで、今となってはかなり重大な同意書でもはいは〜いと軽くサインしたりしている。
というわけで、今日の話は自分が生死を選ばされてると感じた治療の時の話になってくるわけだな。
だいたい一年前くらいになるかなあ?
何種類かの治療にすでにトライして、充分な効果が出なかったり、出ても途中で息切れしてしまったりの結果、体への負荷がデカい治療を試すことに。
家族も呼んで、別室で医者数名からの説明会開始。
治療効果の期待はこうだけど、リスクもこんなんだよ〜、成功確率はこれくらいだよ〜、とかそんな感じ。
確率は結構低くて目の前が真っ暗に……はならなかった(笑)
自分語りも何なのだが、私はもともと本能的な欲が少ないのかなあと思っている。
あまり生きたいぞ!とも思ってなくて、人が長生きしたいと言ってるのを見て、なんでそんなに長生きしたいんだろうと思っていたくらい。
老後の生活もめんどくさいし、平均寿命の半分くらい生きたら充分じゃないかなとも思っていた。
まあ、そうなるとだいたい今くらいで死なないとならないのだがな(笑)
さて、そんなある意味ちょうどいいタイミングで、どうしますかと聞かれたわけなのだよ。
上記の思想に従えば、もういいです、という返事になる。
とはいえ、なかなかそうは答えられなかったな〜。
そこで、「治療拒否したら余命はどのくらいですか?」と聞いてみた。
「多分1〜2ヶ月くらいでしょうか」
早っ! 余命半年とかはよく聞く?けど、若いから悪化も早いんかな〜。
その時思ったのが、死ぬのはともかく、死ぬ直前が苦しいんでないか、てこと。
聞いてみると緩和ケアが発達しているので、ある程度はマシですよと。
うーむ、マシと言われてもなあ…。
安楽死について聞いてみたら、日本では違法ですとのこと。
うん、知ってた。
結局、家族にも悪いし、苦しいのは嫌だし、同意して治療開始と相成ったわけだ。
そうしてみると、一旦は寛解まで回復。現代医学バンザイ、となった。
やってみると治療自体相当苦しかったけど(笑)
1話にも通ずる話なんだけど、頭で死んでもいいやと思っていても、実際に選ばされると死は選べないもんだね。
我ながら不思議なもんだとしみじみ考えたりするんだけど、普通の方々からは「当たり前すぎ」と言われそうだなあ…。
そんなわけで、今は死ぬまで生きるしかないなあ、などと考えとります。
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