第5話
「ほほう、楽しませてくれる小僧だ。だが、お遊びはここまでだ!
第七の適当!! 青い稲妻!!」
「こ、このラーメン、たしかに青いが……これは、塗料!! 鶏がらで丁寧に取ったスープに青色の塗料を入れているのか! どうりで青いわけだぜ! しかも何故だか辛い!」
「気付いたか。そうだ、口に入れても大丈夫な塗料をくださいとわざわざ東急ハンズに行ってまでして買った青色の塗料だ。それをスープに混ぜた。日本では、いや世界でもここでしか食べられない奇跡のコラボだ!!」
そのラーメンをめっぽう完食する達也。
「青を攻略したのはお前が始めてだ。だが、次なる紫の洗礼を受けるがよい!
第七の暴走! パープルもしくはヴァイオレットワンダーランド!!」
「こ、このラーメン、赤唐辛子と青い塗料だ。なるほど、あわせると紫!!」
「よく気付いたな。ここまでたどり着くとは大した奴だ。だが、最後の難関を突破できた奴は居ない」
そのラーメンをぐったりとしながらも完食する達也。
「いくぜ!! 第七の困惑!! 白髪ネギの微塵切りによる白の演出」
おやじは、両手に包丁を持ち、白ネギを刻み始めた。
おやじの包丁捌きのあまりのスピードに、おやじの体は宙に浮き上がる。
ゲームセンター嵐の連打と同じ原理だ。もはや重力がどうなっているのだかなんだかわからい状態の中、白髪ネギが大量に生産されていく。
「どうだ! このネギの量! このネギが麺を、スープを全てを包括する!」
そういって、おやじが差し出したラーメン鉢の中にはもはやネギしか入っていない。
ネギと、おやじが誤って自分の手を少し切ってしまったときの皮膚の破片しか入っていない。
ネギとおやじの皮膚と、おやじが勢い余って自分の手の爪まで切ってしまった時の爪の破片しか入っていない。
「だが、俺は食う! 食うが如しだっ!」
ラーメンをどんがらどんがらと完食する達也。
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