第二話/ざ、はうす、おぶ、らいじんぐ、さん

おはようございます。

菊千代きくちよです。


今日は本当にいい天気です。

僕の家は頗る日当たりが良く、天気のいい日は余り遅くまでは寝ていられません。

眩しさと暑さで嫌でも起きざるを得ないのです。


そう言えば、僕が以前に住んでいた地球では太陽光を利用してエネルギーを作り出したりしてましたね。

しかし、こちらの世界ではそんな事をする必要はありません。

そもそもガスも電気も何も無いのです。


それでも皆、何不自由なく平穏に暮らしています。

正に、五風十雨という感じでしょうか。

余り欲張ったりしなければ、何事も順調になるものです。


こちらで生活するようになってからというもの、その事を痛感するようになりました。

地球人は贅沢ばかりしてるなって、つくづく思います。


かく言う僕も地球に居た時は随分、贅沢もしました。

その事をこちらの方にお話すると興味津々で聞いて貰えます。


そうなんです。

実は僕、こちらの世界では結構な有名人だったりするんです。


地球の話をこちらですると皆さんに喜んでもらえて。

それで多くの方々から沢山の頂き物を貰えるんです。


こちらの世界は地球と違って貨幣経済ではありません。

完全に物々交換、或いは物と労力の交換、後は、余ってるところから足りないところへの譲渡。

それらで成り立っているのです。


そんな中で地球の事をお話しする事で、必要な物を手に入れる事が出来る僕は本当に恵まれていますね。


今思うと、こちらに来て良かったなと、心底思います。

地球に居たままだったら、僕はどうなっていたのでしょう。


ふと、そんな事を思ったりもしますが。


さて、次回は何のお話をしましょうかね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る