第2話

「頼むよ!」

「え~う~、仕方ないかな、少しだけだよ」

「なら、さっそく君の能力見せてよ……おっと、失礼、僕は『佐藤 朱次』です。君は?」

「え、私は『千之川 なぎさ』いや『なぎさちゃん』でね」


私は何を言っているのだ、初対面に『なきさちゃん』は無いだろ……

でも、なんか、そう呼ばれたい。


……???うぅ~少し、心がムズムズする。

「なら僕の事も『朱次』でお願い」

「えぇ、『朱次さん』ね」

「ダメ、『朱次』で……」

「そう?なら、そうするわ」


やはり、心がムズムズする。


「で、早速だけど、なぎさちゃんのアルファー能力を見せてよ」

「う~ん、そんなに凄くないよ」


仕方がない、減滅されるのを覚悟で私は厚い本を机の上に立てて念じる……

『バタ』


本は見事に能力で倒れた。


「あは、は、は、は……凄いかな?」

バカ…………だ。

私……こんなの出来ても何の役にも成らない。


「凄いよ!!なぎさちゃん、これが本物のアルファー能力なのか!!!」

「そう?」

「僕の漫画の主人公は『エブリゲート』何でも召喚出来る能力なんだ!『業火』『竜巻』『ダイヤモンドダスト』に『黒龍』『鬼神』『死霊』……強力な『自然現象』や『幻獣』を召喚出来る。

でも……最近、新しいモノに行き詰まって……そうだ!!!空間を極限まで歪めるモノを召喚出来るようにしよう」

「は???何で本が倒せて???」

「早速、描かなきゃ」

「あ~良かったね……」


そして、超美少年は走って帰って行った。

うん?なんか、戻って来たぞ???


「あ、これ僕の携帯番号ね、必ず電話してね」


メモを手渡されると、やはり、超美少年は走って帰って行った。

どうしよう、なにか運目的なものを感じる。


……夜


私はベットの上で苦悩していた。

うーん、携帯に電話しないと私の電話番号分からないよね。

スマホに番号を入力して……

私はベット上をゴロゴロ、ゴロゴロ、ゴロゴロ……もがき苦しんでいた。

発信ボタンを押すだけ……

そうだ、アルファー能力でウサギさんを動かして押して貰おう。

私はベットの上で色々セッティングして、ウサギのぬいぐるみに念じる……


『コロン』と……

ウサギのぬいぐるみは上手くスマホの発信ボタンに『…………』……

ぬいぐるみではスマホが反応しない。


『バカだ……』私はアルファー能力でスマホを持ち上げてベット叩きつける。

???あれ……何か発信している。アルファー能力でスマホが誤作動したのかな?

不味い!!!速く……スマホを手に取り、朱次が出るのを待つ……


『お留守番電話サービスにお繋ぎます』


何故だ!!!

あれから数日後

私は電話を掛けれないでいた。今日もスマホと睨めっこ……

!!!スマホが鳴り出す。うん?知らない人から着信?そうか、一度電話したからか!!!

『ファッション誌の編集ですが、こないだのアンケートにつきまして……』

違うのかよ『ぶち』、話の途中で切ってやった。

今日はもう寝よう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る