アルファープラス
霜花 桔梗
第1話
この世界はアルファーと呼ばれる力を持つ能力者が支えている。 私は『千之川 なぎさ』名門のアルファーの家系なのだが……
しかし、 落ちこぼれです。 私は軽い物を動かせるだけです。
アルファー能力は世界の高度な文明を支え。
中でも、 アルファープラスと呼ばれる人たちは凶悪犯を取り締まるヒーローだ。
そして、 私の死んだひいおじいちゃんは世界を救った『伝説の七人』の一人だ。
凄いのはまだ『伝説の七人』中でまだ生きているが、 この世界の何処かでひっそりと暮らしている事だ。
『副将』と呼ばれ、 能力は『パワー』 筋力を極限まで使えたらしい。
ひいおじいちゃんは特殊条件下で空間ベクトルを多次元化させ……
簡単に言えば限られた空間の時間を止める事が出来たらしい。
時々、 敵から逃げるだけの能力と言われたが、 副将さんは真の戦いで勝ち続ける事は不可能とかばってくれたらしい。
そして
家の両親は私に何時もガミガミ言ってくる。
学校から帰ればアルファー能力の練習……。
周りを見れば恋もしたい。 でも、 見た目は普通、 少しでも周りと校則ギリギリまで髪を伸ばしたり。 無駄な努力かな……。
退屈な毎日、毎日、毎日……
私は今日も自分の部屋でベットの上にウサギのぬいぐるみを置き、手をかざして『う・ご・け』と念じる。これがアルファー能力の訓練か怪しいが、 ひいおじいちゃんも毎日、 能力の訓練をしていたらしい。
説明すると、 アルファー能力は生まれ付きのもので遺伝が少し関係していること位しか分かっていない。また、まれに、訓練で能力が上がる事が有るらしい。
両親とも能力が無く、 私にアルファー能力が有ると分かった時それは喜んでいたものだった。
しかし
軽い物しか動かせないと知ると……『訓練で能力が上がる事がまれに有る』のを信じて毎日の特訓が日課になった。
私の気持ちもひいおじいちゃんの様に成りたいと思いこの生活なのだ。
そして、 昼間の学校でも昼休の時間などにアルファー能力の訓練をする。
私の学校は、普通中の普通、とにかく普通で名前は『聖藍野学園』で……
やはり普通だ。
校風も穏やかで昼間も訓練出来る環境である。
そして、
図書室の奥の方で特訓中……。
今日は自分自身を浮かべる訓練だ。
これが出来れば空中飛行が可能になり、アルファー能力者としてかなりレベルが上がるはず。
少し、膝を曲げて念じる。
『うぐ……』
動かない……。
動かせ無い。
すると、美少年……いや、超美少年と目が合う。
超美少年は机に向かって何か書いているようだ。
「え?」
すると突然、私は宙に浮き。
制御不能に飛ぶ。
「あっあっあっ飛ぶ、飛ぶ~あ~~~~どいて当たる」
私は超美少年に突っ込むと二人は複雑に絡み合う。
「アイタ、タ、タ……」
何かドサクサに紛れて超美少年とキスをした様な気がするが気のせいかな。
しかも、あちらこちらが痛い。
あれ?そういえば飛べた。
すると、超美少年が起き上がり、少年は床に散らばった紙を何事も無かったみたいに拾う。
「ごめんなさい」
私はとにかく謝る事にした……でも、初めてウサギのぬいぐるみ以上の物を動かせたので内心嬉しくてたまらないのだ。
「君は失礼だな。突然、飛び込んで来て、僕とキスして嬉しいのか?」
しまった、勘違いされた……
私は能力が上がって嬉しいのに……どうしよう……。
「ご、ごめんなさい。つ、つい、アルファー能力が予想以上に使えたので……」
「君、アルファー能力者なの?」
「はい、とりあえずね……」
「すごい!僕、初めて能力者と会ったよ!」
「え、ぇ?」
私は戸惑いを隠せなかった。
「ウサギのぬいぐるみを動かせるだけだけど……ね……」
「そんなの構わないよ、僕は子供の頃から、アルファープラスに憧れていて……」
――どうしよう――
何か勘違いされている、私は確かにアルファー能力者だけどね。
ぬいぐるみを動かせるだけで……
「そうだ、僕の漫画の主人公になってくれないかな?」
「漫画?」
そういえば、散らばった紙は漫画の原稿用紙の様だ。
「僕はアルファープラスが大活躍する、漫画を描いていてね、世界を救った七人なんか大好きなんだ」
うぅぐ……よりにもよって、ひいおじいちゃんのファン?私がポンコツだと知ったら……
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