第2話 殺されたのは
「これが俺のバーで起きた出来事なんだ。」
殺し屋の凄さに圧倒された若い男性はフューリーに尋ねる。
「それで、それで。その人とは会ったのか?」
「ああ、最近会ったさ。」
「一度会ってみたいんだがいいか?」
フューリーはニヤッとした、その言葉を待っていたかのように。
「やめとけ、俺もたまたまだったんだ。」
「そうか....、ならまた会ったら―」
若い男性に警告するようにフューリーは話す。
「もしかしたら今も見てるかもしれねえ。」
「え?」
「この話を喋ったらだめだぞ。いいか?」
「あ、ああ。絶対話さない。」
「あいつは俺を殺すかもしれねえし、もしかしたら―」
彼は後ろになんらかの気配を感じた。
だが、気づくのが遅かった。
「―次はお前だ。」
目の前が垂直だったのにも関わらず、一瞬で前が真っ二つになった。
自らの命が燃え尽きていく、ゆっくりと。
「よーし、やったな。」
フューリーの前に人影が姿を現していく。
「ブレイン、ナイスだったぞ。」
「びっくり過ぎるくらい、良いタイミングだっただろ?」
ブレインと呼ばれた男は若く、おしゃれな黒い服を着ていた。
下には黒いスキニージーンズのようなズボンを履いている。
「フューリー、お前は何故そんなに嘘ばっかな話をするんだ。」
「これも信じさせる一環として許してくれ、な?」
フューリーは嘘をつくのが上手く今回の話も彼が用意した事実のない話だった。
「とりあえず依頼もこなしたし帰るか、Killer Angelに。」
「それは実在するもんな。」
二人は暗い部屋から立ち去った。
残っているのは遺体とテーブルだけだった。
天使による華やかな死を 焚斗 @takuto
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