第33話

火曜日。放課後から戦いが始まる。空気を察してか、本能の興奮が伝わってくるようだ。

だがそれだけではない。校長復活に伴う眩暈のような違和感が蝕んでいる。薬師寺さんは唐突に眼鏡を掛けたし、山田寺さんは恒常的な手汗に悩んでいた、郡山さんは腕にギブスをはめていた。


相撲トーナメントは校庭で行われる。相撲部の部員は北怪道の登蔑力士牧場にいるので来れない。

「武者震いがしよるわ。」

橘さんは甲冑を纏っていた。

「お久しぶりでございます、大魔王シルヴァリア様。」

跪くのは菅原さんだ。

時刻は午後5時15分。既に第一試合が始まってもおかしくない。


校庭には西大寺千秋を含む参加選手のうち68名が既に集まっていた。

「お久しぶりですねお春殿。」

現れたのはボンネットバスとアロエだ。

「陰陽組ッ!」

「此度のベジ四駆は我々野菜王国がすべていただくぞ。」

「ええっああ。」

千秋はこの大会が相撲トーナメントなことは黙ることにした。


陰陽組の二体がウザいので千秋は場所を変える事にした。生垣の辺りに行くと、そこにいたのは長柄七江だ。

「校長、そもそもなんでトーナメントなんかしようと思ったの。」

千秋はいきなり質問してみた。

「いやなんとなくバトルで決着した方がそれっぽいだろ。」

校長の返答は酷かった。


「俺の力は破壊と再生。段階と段階を繋げるのは永遠であり、例えれば俺がストーリーにおける展開そのものなんだよ。トーナメントをやると言えばトーナメントになる。」

校長の姿は色艶のある髪とみずみずしい肌、鮮やかな色彩に満ちていた。

「というか、お春殿の為ではないですか?」


不意に口を挟んだのは以前に千秋に尻尾を付けた電子組の技術者だ。

「電子組の人だ。」

「一回戦は予選です。Aブロックはお春殿と校長と四教頭のバトルロワイアル。この中で勝ち抜くのは一人だけ。それにルールのある試合、リングも土俵の上と四教頭には"狭い"。決して悪い条件ではない。」


「忍法兵器であるお春殿には甲賀組で唯一、四教頭に対抗しうる忍法が備え付けられている。彼女の目から放つビームは鉄も蒸発させる。」

電子組の人は千秋の瞳を眺めながら言った。

「んん、まあ褒美というか礼だな。」

校長は言いつつ、しゃがみ込んだ。

「宝蔵院お春は事態を好転させている。」


「"世界"ではなく"西大寺千秋"のという意味だが、当初の予定で電子組のお前は拉致してた。お春殿自身も甲賀組のような精神破綻者の道を歩んでた筈だ。密造銃も本来は生徒間に流通し、俺の復活に伴い銃犯罪の急増を起こしていた。そうならないのは意図せざるに関わらず努力の賜物だ。」


千秋は校長を見下ろした。

「あなた、心が読めるの?」

「俺の部下は青龍だ。」

校長はグラウンドの方を指差した。そこには、上半身裸で土俵を片手で抱え、肩に青龍を乗せ上半身裸の白虎が此方に向かい歩いていた。

「見ろ、第一試合が始まるぞ。」

「お前と四教頭ってジャンプ好きだな。」


白虎が校庭に土俵を設置すると、校長は立ち上がった。

「展開そのものである俺から見て、お前の存在は展開を変えてるんだよ。」

そう言うと校長は土俵に上がった。千秋も土俵に向かう。

「お春殿、一回戦から先駆けだなんて大変だね。」

話しかけて来たのはクラスの当麻さんと笠縫さんだ。


二人は菅原グループのメンバーで、菅原さんの殺人トレーニングを勝手にデバッグする忠誠心を持つ。

「それに比べてBブロックって橘さん達が有利過ぎじゃない?困ったことがあったらいつでも私達に相談してね。」

笠縫さんは訴えるような目だ。大方、千秋の懐柔のつもりか。


このトーナメントはベジ四駆の試合として呼びかけられたが、クラスメイト全員が参加している。彼女らはクラス派閥争いの頂点を決するものだと信じているからだ。故に相撲だったとしても根本が揺らがない。

「ありがとう。そう言ってくれただけで嬉しいよ。」

千秋は正直な気持ちを言った。


千秋が土俵に上がると、制服姿の校長と四教頭が立っていた。

「今の当麻さんってマダム・マリファナの姪っ子らしいぞ。」

青龍が言った。

「マジでっ!?」

土俵の外では当麻さんの横でマダムが四教頭に熱烈な視線を送っていた。

「やっぱり良いオトコ達。貴方、誰が勝つと思う?」


「知らないよ。それよりお春殿、おっさん連中と戦うなんて本当に可愛そう。」

当麻さんはわりと同情的だった。

「俺は帰ってドラマを見たいけど…上半身裸の男が強そうだよね。メルアド交換しない?」

「あんたに聞いてないわよ。ていうかあんた誰よ。」

千秋は四教頭に視線を戻した。


試合とはいえ四教頭は怪物。さてどう戦うか。

「お春殿。今回は本気で戦うつもりなど毛頭ない。まあ何処からでも掛かってきなさい。」

青龍が言うと、校長が手を挙げた。

「言っておくがこの試合の勝者にはお春殿との一日デート権を与えるぞ。」

「どうやら本気で戦わねばならないらしい。」


「えっ」

千秋が狼狽した時には、既に朱雀は両手を大地に掲げていた。四教頭の姿が揺らぎ、空間が歪めば東西南北に四本の石柱が現れた。

「校長が眠る浅魔山に居る我らの肉体を持ってきた。」

朱雀が言うと、四教頭は黒い粘液と化して其々の石柱に溶け込んだ。

「えっなにこれえっ」


即座に四本石柱の前面が開いた。中から出てきたのは発光する褌姿の白眼の四教頭達だ。

「今迄の姿は青龍が我らの精神を念で具現化させた偽者に過ぎん。」

黒光りする玄武が言った。

「この姿に戻る事で我々はフルパワーを発揮する。」

白光りする白虎が言った。

「キモい。えっ」


すると校長が片目を閉じて合掌した。

「安心せい!俺の権能を知っておろう。今この土俵の上を無限に広がる宇宙よりも広くしよう。」

校長がしゃがむと、視界が畝り、瞬く間に土俵ごと砂漠のような場所が開けていた。

「体育館の地下と同じだ。暴れても一般人に危害が及ぶことは無い。」


「お見事です校長。やはり女子高生の肉体を借りた事で力が弱まり寧ろコントロールが可能になられましたな。」

青光りする青龍が言った。

「えっえっ」

「安心せい!最早外から見れば不審者四人が女子高生二人に襲いかかっておるようにしか見えぬわ!」

「では行くぞッ」

「がああああ」


事態が呑み込めぬまま、千秋が選択した初手は七本槍流『護法』。四教頭が東西南北の殺気は西から極めて強く発される。殺気を感じたその瞬間には千秋は目からビームを出していた。

「ほう、俺の殺気に対応するとは。」

ビームは虚空を過ぎ、西から昇った白虎は既に千秋の腰に掌打を加えていた。


「がっっっ!!?」

千秋は傷を負わなかった。白虎の手の接触面、そこにワームホールが広がっていたからだ。

「馬鹿め、今の一撃でお春殿が消し飛べばどうする。」

時間と空間の支配者、赤光りする朱雀である。

「敵に先手を取られたらなあ、それより速く動けば良いんだよ。」

白虎は言った。


つまり白虎は『護法』に合わせ、光よりも速く動いたという事になる。

「何処を見ておる。」

全身に苛烈な青いオーラを纏いつつ、空中浮遊しながら念動弾を発射したのは青龍だ。

「カァッ」

白虎が叫ぶと念動弾は虚空に掻き消えてしまった。

「隙アリアリじゃ」

玄武が白虎の背後を取った。


千秋はついて行けなかったが、玄武は発光する立方体を構えていた。

「ぬうっ」

白虎が肘打ちすると、玄武の頭部は粉々になった。

「手応え無しッ!!?」

玄武の頭部が即座に再生し、腕が四本に分裂し白虎を捕まえた。

「『生命倫理』の世界へご招待しよう。」

白虎は立方体に吸い込まれた。


呆気に取られていると、朱雀は既に背中から炎の両翼を生やして青龍と空中戦を繰り広げていた。

「さあお春殿。君の相手はこの僕だ。」

玄武が立方体を構えると、光の中から何かが出てきた。

それは入滅部隊の面々だった。

「はあっ!?何っえっ」

「グロリア和尚」

「ハーマイオニー和尚」


「メアリージェーンワトソン和尚」

「アマンダ和尚」

「マライア和尚」

「レイチェル和尚」

「ローズマリー和尚」

入滅部隊は銃を構えていた。

「この玄武は生命倫理を司る。生命倫理とは生物の多様性や進化、増殖、再生では無い。俺が内包するのは種でなく個人の情報に及ぶ。」


立方体が一際発光すると出てきたのは全裸の男だ。

「諦めるのは早いぜ、お春殿。」

「お前は以前に学校に出てきた幽霊!」

全裸の男は玄武を殴った。

「俺は伝説の勇者の血を引くから四教頭への攻撃が通じるんだよぉ。」

「がああああん」

咆哮すると、入滅部隊が一斉に全裸の男を射殺した。


「全裸の男ーっ」

「馬鹿め世のすべての個人情報を保有するこの玄武に攻撃など通じぬ」

その時、立方体に亀裂が走った。大地が鳴動したかと思うと、玄武の上半身は何処へ消え去っていた。

「『生命倫理』の世界…生命の情報シュミレーター…そんなもの、絶滅させれば済む話よ!!!」


白虎が血塗れで立方体から這い出てきた。

「生命の情報をコピペすることで我が肉体の再生など容易」

玄武の上半身が即座に再生したが、白虎の睨みによって玄武は全身がバラバラになってしまった。

「ウヌヌヌヌヌ」

「玄武!今吹き飛んだお前の上半身は、俺の発勁で彼方へと吹き飛んだ!」


四散した玄武の肉体は集合し金剛力士となっていた。

「それがどうした。」

「相撲を知らんのか。土俵の外に体一部でも出れば負けなんだぞ。」

「校長の無間結界に外など存在せぬ!」

「やはりお前は馬鹿だな。無限の空間ならば、無限すら超える距離まで飛ばせば外に出るに決まってるだろ。」


白虎が勝ち誇った時、遥か彼方で核爆弾のような爆発が起きた。先程白虎が消し飛ばした玄武の上半身が無限を超える距離まで飛ばされ結界の外に出たのだ。

「この玄武の負けか。」

「結界て何。外大丈夫なの?」

千秋は今さら心配した。校長が手を翳すと玄武は地面の中に吸い込まれてしまった。


「何を悠長にしてる。校長、お前も戦ってるんだぞ。」

白虎が無限を超える突きを繰り出す。膨大なエネルギーの塊が校長を襲うが、エネルギーの塊は校長をすり抜け遥か彼方で核爆発した。

「左右の相対距離を無限に広げれば直線上の攻撃なんて当たらないんだよねえ。」

校長は千秋に目配せした。


千秋はよくわからなかったが好機と見て白虎にビームを放った。

「たかが光速ッ!ヌウッッッ!?」

校長が両手を広げると、光速であるが、ビームは無限に引き伸ばされ辺り一面を浄化する光となった。

「隙アリアリアリじゃああああん」

全裸の男が白虎に銃を撃った。

「ブホォ」


銃弾は光に焼き尽くされていた白虎の喉元に命中、白虎は一瞬動きを停止した。

「そこだっ朱雀!」

校長が叫ぶと、空で青龍と激闘していた朱雀が額縁のような物を投下した。それは白虎の足元に収まり、校庭の茂みと入れ替わった。

「足元だけっ!土俵の外に転移した!!」

千秋が驚嘆した。


「俺がリングアウトだとぉ」

狼狽していると、校長が手を翳し白虎もまた地面に吸い込まれた。

「凄い、仲間割れで勝手に数が減ってる。」

さて上空では青龍が巨大なエネルギーを形成していた。

「お前達ちょっとだけ力を貸してくれ」

青龍に念を奪われた入滅部隊はミイラ化して即死した。


「これが青龍の精神念動弾の最終奥義。宇宙が八回滅亡するぞ。」

校長がなんか言った。

「何だと。ならば俺も最終奥義を見せてやろう。」

朱雀が空間圧縮した翼を広げると、亜空間から白い宇宙艦隊が百機出現した。

「全ての空間、全ての時間に接続することで時空の果てから軍団を召喚した。」


「時空の果ての軍団…!?それは一体!?」

「タイムパトロールだ。朱雀は時間を操作して青龍に自分の罪を擦りつけたんだ。」

校長が解説した。

「不味いぞ。タイムパトロールはあらゆる時間犯罪者に対応出来るから宇宙を八回滅ぼすエネルギーなんて屁でもないぞ。」


「時間保護法に基づいて博多青龍を成敗してくれるわ。」

千秋はタイムパトロールの局長がメガホンで威嚇する声を聞いた。頭上では太陽よりも大きいエネルギー弾と百機の宇宙艦隊が激突する光景が見えた。

「今だお春殿、力を貸してくれ。」

青龍が言った瞬間、千秋は目からビームが出ていた。


だが目からビームを出していたのは千秋だけではない。校長もまた目からビームを出していた。

「青龍ッ貴様ッ俺までも洗脳しただと。」

二人のビームはタイムパトロールの艦隊の装甲を蒸発させ爆発四散させた。

「しまった、タイムパトロールの艦隊は鉄製だからビームには滅法弱いんだ。」


しかし、装甲を破るだけが青龍の狙いではなかった。女子高生二人が目からビームを出してタイムパトロールを迎撃するという有難い光景を目の当たりにした事で興奮したのだ。精神力を操る青龍はかつてない超パワーを発揮した。

「俺は初めてお春殿に出会った時、喜びという感情を知った。」


青龍は髪の毛が逆立ち、全身から金色のオーラを放っていた。

「バイバイ朱雀!生まれ変わったらまた女子高生を堪能しような。」

「ぐおおおおお」

朱雀は青龍の教頭バスターを食らいながら地面に落下、足首を捻挫して戦闘不能になった。校長が手を翳すと朱雀も地面に吸い込まれた。


「出た、教頭バスターだ。アレは世界中の教頭職に就く者だけが使えるプロレス技じゃ。まともに食らえば足首の捻挫は避けらんぞ。」

校長は恐怖のあまり震えていた。

「残った四教頭は私だけの様ですな。ではあなた方二人にはお互い相撲を取って貰いましょうか。」

青龍は嬉しそうに手を翳した。


超パワーアップした青龍は校長すらも洗脳出来るのだ。校長は大人しく千秋と相撲を取るしかなかった。

「のこったのこった」

非常に地味な取組の結果、上履きがスリッパのままだった校長がコケて普通に千秋が勝った。校長は勝手に地面の中に吸い込まれていった。

「最後は我々だけか。」


青龍は感慨深げに言った。

「この校庭は俺とお春殿が初めて会った場所だなあ。どうだ、ワシの専属女子高生になるつもりはないか。」

青龍に誤算があったとすればこの時をおいて他に無いだろう。校長が敗北した事で、無間結界が解除されてしまったのだ。今や二人は元の校庭の土俵に戻っていた。


「なにぃ〜」

マダムマリファナがトイプードラー黒滝とメルアドを交換している。土まみれの玄武、白虎、朱雀、校長が泣きながらラジオ体操第一をしている。

「今よッ山田寺さんッ!」

「総員撃てえい。」

千秋が叫ぶと山田寺さんが号令、クラスの生徒達が一斉に密造銃を発射した。


生徒達の銃弾は全弾青龍に命中。

千秋は予め山田寺さんを買収していた。山田寺さんグループはクラスの関わりたく無い人達の集まりである。

また、弱みを握られた他グループの者も大勢いた。その中には当麻さんも含まれ、彼女はマダムマリファナの姪。つまり伝説の勇者の血を引く者だった。


「んん中々センスあるじゃない。でももっとこうよ。」

マダムが当麻さんから銃を取り上げると、青龍に一発お見舞いした。弾丸は青龍の脛の腱を撃ち抜いた。

「ぐおおおお」

「オラアアア」

ここで千秋が渾身のタイキック。七本槍流『傲岸』である。青龍は万感の喜びの中で立ったまま気絶した。


結局、千秋は立ち往生した青龍を寝かせるという地味な作業で勝利したのだった。

「Aブロックの勝者は宝蔵院お春殿ぉぉぉぉ」

山田寺さんが勝鬨の声を上げた。

「おめでとうッ」

「おめでとうッ」

「おめでとうッ」

拍手で出迎えたのは橘さん、菅原さん、山田寺さんだ。


千秋は三人をそれぞれ見わたした。

「Bブロックは我々の試合だ。修行の成果を見せてくれよう。」

橘さんが包帯で巻かれた腕を見せた。

「三人とも頑張って。」

「Bブロック予選は三人の他に七本槍、郡山さん、そして…」

山田寺さんは片隅でぶつかり稽古をしている力士を見た。


「昨日私に張り手をしてきた奴だ。」

腕にギブスをはめたままの郡山さんが震えながら言った。

「何者だ…」

「知らん」

力士はぶつかり稽古を終えると、野菜を手に取って頬張りはじめた。

「あいつ…ベジ四駆を…食ってる…」

「いやぁー!」

「ば、バケモンだ…」


場内は騒然としたまま、Bブロックの試合が始まった。クラスメイト達はこの試合を事実上の決勝戦と目していた。

ここで予想外の出来事が起きた。張り切り過ぎた菅原さんが七本槍の集中砲火を浴びていきなりコケたのだ。次に郡山さんが力士の張り手を食らってリングアウト。


その後、橘さんが組手甲冑術で山田寺さんをボコボコにするという番狂わせが起きたが、七本槍の壁を突破した力士の乱入を受けた。橘さんと山田寺さんの両名が気絶。

そして、七本槍は人数が多過ぎたため、普通にコケて敗退してしまったのだ。

Bブロック勝者は謎の力士、忍海となった。


「そんな…あの三人が負けるなんて…」

「時代は最早力士だと言うの」

今大会一番のダークホースと化した忍海。その後、Cブロックの試合は仕事を理由に多くの者が欠席。メアリージェーンワトソン和尚の不戦勝と想定外の事態が連続した。

またDブロックはボンネットバスが全員を撥ね勝利した。


Eブロックは天野三姉妹の末妹が勝利。Fブロックはファミリー公園前信虎が名前が凄いという理由で勝利。全裸警官の本名が東大寺銅海であることや、その先輩警官の源九郎稲荷左京がクラスメイトの源九郎稲荷神社小牧さんの父親であることが発覚するなど波乱が起きた。


さて、Gブロックである。出来れば千秋は帰りたかったが、両親の試合を見逃したとあっては角が立つだろう。橘さんも菅原さんも当麻さんも似たような心境だろう。出来ればこの試合だけ飛ばしてほしい。

だがこの試合はクラスの親御さん枠として注目されていた。

つづく

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