宿命の対決 労働基準法vs.ブラック労働

第31話

第三十一話


※ホタテに五時間くらい説教された※

※心の何処かで引っかかるのは※


「どうもお前のやらされてる事は労基法に違反してるぞ」


※という言葉。※

※知り合いの社労士を紹介してくれるそうだけど※

※そこまでいくと話が飛躍しすぎと思う※

※母親に尋ねたら、市主催の法律相談会に行けって言われた※



こうして千秋は神兵衛市主催『あなたの暮らしの法律相談会』へ遠足することにした。


兵蠢県。

つはもの共が蠢く魔境のような一地域だが、実態は神兵衛(コウベ)市を中心に据え蛮州等の地方民族が隷属するまさに魔窟と言えよう。

蛮州弁は世界一野蛮な日本語として原住民の間での自慢だ。


さて、問題は相談会が近所ではなく神兵衛市で行われることだ。それはまあ良しとした。

こうして千秋は惨ノ宮駅に着いたのだが、


「ババンババンバンバン」


「ババンババンバンバン」

道を行けば蛮州弁、立ち止まれど蛮州弁。神兵衛市は今や蛮州から流入した難民に犯されていた。

手と手に重火器を持ち、ババンババンバンバンと道行く人を撃ち殺す様はまさに人間性の終着駅、蛮人の蛮人たる蛮性を備えし蛮州人(バルバロイ)の所業である。


「これは街の美しい所だけを残す運動に違いない。」


横の菅原さんが説明した。なんと優しき街を愛する心か。死後極楽に転生するだろう。


「流石菅原さん、目の付け所が違うね。」


「神兵衛市を愛する気持ちは同じということさ。」


菅原さんは遠足で気分が高揚していた。


「街に平和と美しさが訪れると良いね。」


世の不安を少し感じながらも、菅原さんと会場へ向かう。


遠足は生徒が自主的に行い、学習的であれば単位認定される。


会場へは徒歩30分程。

徒歩こそが高校遠足の醍醐味。より学生らしい遠足になるだろう。


「今いるのは惨ノ宮駅。まず最早焼野原(モトマチ)駅へ行く。そこから神兵衛駅に向かうよ。」


「つまり高架下ルートね。」


神兵衛駅から会場へは徒歩5分だ。まずはそろりそろりと参る。


8分歩き、たどり着いたのは最早焼野原(モトマチ)駅。古くは町屋が並ぶ地域だった事に地名の由来がある。戦後は駅高架下に闇市が開かれ、今も商店街として残る。

「"元"は"町"だが戦で最早焼野原になった所」略して最早焼野原(モトマチ)である。


高架下商店街は出入り口が特に怖い。

中に入れば只々暗い。入り口こそ殺人鬼が潜んでそうだったが、中は古着屋、バッタモン屋、謎の店、廃墟、金券屋など親しみやすい店が連なる。


「金券屋さん四件くらい並んでるよ」


「資本主義の歪みだね!」


「この辺のスイーツ屋さんはでんでんダウンのラーメン屋さんに似てるよね。」


日中でも暗い高架下だが、しばらく歩くと光が差し込んできた。


「見て菅原さん。意外と短かったね?」


「甘いなお春殿。」


出口を抜けると、更に高架下商店街だった。


「何コレ『2 最早焼野原高架』?」


「これが7まであるよ。」


菅原さんの言葉は千秋にとって未だかつてない絶望だった。


RPGの無限ダンジョンみたいな気分をしばらく味わいながら、合間に見える花隈城跡の景色を楽しみ、何とかして神兵衛駅まで辿り着いたのだった。


「やっぱり出入り口が入りにくいね。」


そして更に歩くうち、見えてきたのは全面ガラス張りのビル。相談会の会場のある神兵衛ガラスタワーだった。

『あなたの暮らしの法律相談会』は主に労働に関する法律の相談をしてくれる参加型イベントだ。社労士による講演会のPRや労働に関する法律相談室、そこら辺のおっさんによる暮らしのなんでも相談室や違法な物品販売など見るべき点がイチオシである。


「限定販売のゴムパッキンだよ。」


受付で500円払い、パンフレットを受け取った千秋は労働に関する法律相談室の一角に向かった。

ブースの中には専門家っぽいパーマの人がいた。


「こんにちは。僕は事務員で社労士資格を目指してるトイプードラー黒滝。ストリートダンサーさ。」


事務員とは信頼できそうだ。


「失礼します。」


千秋は専門家っぽい場の雰囲気に緊張していた。


「怖がらないでマドモワゼル。会場限定の図録は買ってくれたかな?アレには事務所の先生の写真も写ってんるんだ。」


「早速相談なんですが。」


「えっ?あっ、おお。おう。」


黒滝は専門家っぽくジャケットを椅子に掛けた。半袖Tシャツ一枚の黒滝は如何にも雑誌の取材でロクロを回してそうな専門家っぽい雰囲気だった。


「実は私、ヤバイ仕事を強要されてるんです。」


千秋が話を切り出すと、黒滝の笑顔が凍りついた。


「それ本当なら警察行った方が良いよ。」


まずは通報。基本を忘れないのが逆に専門家っぽい。


「ダメなんです。黒幕は政府だし、体もサイボーグに改造されるし。」


千秋は両腕をメカニカルに変形させた。


「うわっ引き返せない所にいんじゃん。」


「まあそれは良いとして」


「いや良くないと思うけど。」


黒滝は専門家っぽい態度からは想像もつかないが、相談には真面目に対応する。


「体が機械ってさ、生身の部分はあるワケ?ていうかこんな話聞かされて俺とかの命大丈夫?」


「でもこういう相談会って守秘義務とかあるっぽくないですか?」


千秋が個人的に鋭い指摘をすると黒滝は腕を組んだ。


「守っ秘…義務かぁ〜?俺最近車を買ったけど…確かに個人情報とかは大事だね。」


女子高生の知能に会話を合わせる。そこに黒滝のプロっぽい意識を見た千秋だった。


「えっ車買ったんですか?」


「ていうか君の頭とかはどうなってるワケ?大分弄られてない?」


「弄られてます。」


「ダメじゃん。もっと自我を保たないと。」


黒滝の言うことも最もだ。


「栄養とか大丈夫?」


「この体、食べたご飯をちょっとだけ消化して残りは回収すんすよね。」


「俺は凄く焼肉食べたいけど…うーん、それ生きてるって言えるかなあ?死んでない?」


「まあ生き死には超越してますよね。」


「してなくない?死んでない?」


「それはもうどうしようもない事なんで。」


「大変だね。」


黒滝は頭の上で腕を組んだ。


「このTシャツの柄さ、ウチの事務所の先生のサインなんだよね。」


「へーそうなんですか。私は一日8時間以上働かされてるんですよ。」


千秋が話題を変えると黒滝はプロっぽい目つきになった。


「はぁ〜ん!それを言いたかったのね。」


黒滝は参考書を開いた。


「そうなんですよ。しかも深夜にも無理矢理仕事させられたことあるんです。違法じゃないんですか、これ?」


黒滝は社労士資格の参考書を見ていた。


「えっ?それは労基とかに相談してほしいんだけど…」


「えっ?違うんですか?」


「いや?労働基準法っていう奴知ってる?」


「いえ、知らないです。」


千秋は労働基本法くらいまでしか知識がなかった。


「なんかね、そういうダメみたいな奴があるの?8時間以上はダメとか…俺はさあ東狂行きたいけど…東狂行きたくない?」


「東狂の駅って凄い汚いって聞きますけど。」


「こないだ友人のご祝儀に二枚包んだんだよ。」


「えっ東狂の友人ですか?」


「いや、厳密には沈岡だけど…大学時代は塾講師してたんだよね?」


「知らないです。」


「ところで君は彼氏いる?俺は彼女募集中なんだよね。」


「労基ってどこにあるんですか?」


千秋は相談の過程で知った知識を埋めたがる素人にありがちなミスをしていた。


「労基?止めた方が良いよ。君は政府になんかされてるんでしょ?労基ってお国の組織だし。揉み消されちゃうんじゃないかなあ。」


適当に話をしてるようでいて、相談の骨子は掴んで離さない。流石は社労士を目指す黒滝だ。


「じゃあ私はどうすれば。」


「なら好きにすれば良いんじゃない?」


「好きに…」


「俺は犬ブログしてるけどさ…紀州犬の飼育がプロレベルに達してるんだよね。」


「凄いですね。私は戦いの被害を最小限に食い止めたい。でもどうすれば良いか…」


「良くわかんないけど、君の悩みの受け皿は存在しないと思うよ。だから好き放題やっちゃっても咎はないよ。」


「じゃあやっぱりまずは労基に…」


「うーん。それはありがちな展開じゃないかなあ。それよりさ、友達の話とか聞きたいな。君の友達とか可愛い?」」


黒滝は千秋のブレザーを見た。


「ていうか君は高校生?ピアノ弾けたりする?」


「わりと弾けますけど。」


「そう?俺も弾けるんだよね。」


二人は同じ趣味を持つ同士だったのだ。共通の話題が見つかった事で会話が盛り上がりそうだと千秋は思った。

そしてある疑問を口にした。


「ていうかですね。私のやってる事は労基法とかそういう話なんですか?」


「えっ違うの?」


黒滝は参考書を閉じた。


「賃金がですね、出ないんですよ。」


そして黒滝は真剣に千秋の顔を見つめた。


「うん。敬語で喋らないでよ。」


「えっ」


「なんかさ、敬語多いよね?君さ、ここ以外でも敬語で喋るわけ?」


「わりと目上の人とか相手だと敬語ですね。」


「駄目だよ。俺別に目上とかじゃねえし。」


千秋は割と敬語で喋るの駄目という教訓を得た。


「なんかさ、許容出来ない?出来事に直面して、一歩距離を置いたらさ、何かそれは良くないよ。」


「そういうものですか。」


「水ガーデンって知ってる?」


ここで黒滝は意味不明な単語を繰り出したのだ。


「知ってます。」


「えっ知ってるの?」


千秋は水ガーデンを知ってたのだ。


「市立水ガーデン。神兵衛市の外れにある水をテーマにした町おこし施設で、水のジオラマ展示や水道のシステム解説、マスコットの関羽や3Dシアターなど豊富な設備が整ってて、建物の外観も住宅を併設した西洋建築白亜の館や噴水も美しいですよね。」


「なんでそんなに詳しいの?」


「実は今日行かせてるんですよね。友達に。」


「友達に?」


「罰ゲームに一人で水ガーデンに行ってもらってるんですよ。」


「もしかしてその友達って背高くて可愛いコ?」


「ボナンザを知ってるんですか?」


「いや、そのコかはごめん、わかんないけど。そういう系が超好みのタイプなんだよね俺は。」


意外と千秋の交友関係に興味があるようだ。サイボーグの友達なので当然かもしれない。


「女子高生で、私と同じ制服ですよ。違法なバイトしてるし、槍持ってるし実は敵方の間者で…背は高いですよ。」


「そうなんだ。水ガーデンに一人なんだ?」


「すごいB級スポットっぽいですよね。あそこ。」


黒滝は首を横に振った。


「俺は行ったこと無いけど…名前から不穏な感じが迸ってるよね。君にも是非行ってもらってリアクションして欲しいけど。」


「それはまあ、絶対に嫌です。今朝友達と遠足に行く話になって…そこでボナンザを水ガーデンに行かせる罰を思いついたんですよね。菅原さんが。」


菅原さんの名前を聞いた黒滝は辺りを見渡し、やがて物品販売コーナーで阿波踊りを踊りながら手提げ袋を購入する菅原さんを見た。


「菅原さんってあの子?」


「はい。」


千秋は阿波踊りを踊りながら答えた。


「ちょっと待って、なんで君達さっきから阿波踊り踊ってんの?社会嘗めてるの?」


江戸っ子のトイプードラー黒滝は四国の田舎が許せないワイルドな一面を隠し持って生きていたのだ。

この都会的なワイルドさに現代っ子千秋は特に感想を抱かなかった。


「遠足の班分けで、私達二人は阿波班として分離されたんですよね。」


昨日の激闘から一夜経ったが千秋は阿波踊りを止められなかったのだ。


そもそも千秋が阿波踊りを止められないのは機械の故障なので仕方ない。

自身も一時のテンションで阿波班などという胡乱なグループに志願した事は反省すべきだ。


「ちょっと待って下さい。」


千秋は菅原さんを見た。


「なんであの人阿波踊りなんか踊ってるの。」


「本人に聞いてみたら。」


「そこに触れるのは怖いし、女の子らしく永遠の謎にしておきたいので、ここはノータッチを貫こうと思います。」


「それよりボナンザってコは可愛い系なの?俺としては重要なポイントなんですけど。」


「なぜそこで敬語になるの。」


黒滝としては菅原さんよりボナンザの見た目の方が重要だった。


その時、菅原さんがこっちに来た。


「お春殿、そろそろ行かないと『学習的な事』をする時間が無くなるよ。」


菅原さんはとんでも無い事を言った。


「えっ」


千秋は菅原さんを見た。


「どういうこと?」


すると菅原さんは千秋を見つめた。


「法律相談は高校の指導要領と関係ないと思うよ。」


「これ全部無駄ってこと?」


「無駄なんかじゃねえさ。」


黒滝が肩を掴んだ。


「今日の知識は必ず役に立つさ。」


黒滝の目は真剣だった。


「黒滝…」


「名前は敬称にして欲しいかな。」


「そうだね…今日の法律の相談はどこかで…」


千秋は菅原さんの顔を見た。


「法律の相談してない。」


振り返ればほぼ雑談だったのだ。


「それで、ボナンザってコは可愛いの?」


黒滝が聞くと菅原さんが答えた。


「あれ?あなた、守秘義務は…?」


「良いよそんなの。」


「すみません、私達阿波踊り踊らないと。」


こうして千秋は半ば強引に菅原さんに連れられ阿波踊りを踊りながら脱出した。

菅原さんのなんらかの気分を害した神兵衛ガラスタワーは翌日自爆システムが作動し、中に入っていたハローワークは爆発したという。


「やっぱり高校生が一番だよね。」


菅原さんは笑顔で言った。千秋は確かに労働はしたく無いな、と認識を新たにした。


さて、二人は他の班と集合する事にした。

千秋達阿波班以外には、ボナンザの単独班、橘さんと七本槍の新長田班がいる。ボナンザは水ガーデンに、新長堕班はKOBE三国志の博物館へ行っている。


「みんな生きて帰ってくると良いね。」


千秋は軽く冗談を言った。

班の集合場所は大暗山駅。千秋のいる場所から北へ徒歩12分程だが。


25分後、千秋達は未だに大暗山駅へ辿り着けずにいた。


「駄目だよ、神兵衛って北へ行くほど坂道だし、さっきからよくわかんない公園とか道路とか見慣れない風景が続くし、この辺ってそこはなとなく怖い雰囲気があるし、道案内に従っても何故か道に迷うよ。」


「それが旅の醍醐味じゃないか。」


実は千秋達は北に行き過ぎてたが気づかなかったのだ。知らない街の行ったこと無い場所で待ち合わせるのは極力避けようね。


「なんか川とか見えてきたんじゃないかな。」


菅原さんは鋭い指摘をした。


「あれっ?この道路って水ガーデンにかなり近いんじゃ。」


千秋は地図を確認しながら言った。

見つからない駅を探すより、とりあえず水ガーデンへ行き、ボナンザを探すという結論に落ち着いた二人は、その後の30分を水ガーデンを探す時間に費やした。

結局、道路を挟んだ住宅街ではなく、その数メートル横の坂道を登って迂回するのだと気づき、そこから10分かけて水ガーデンへ辿り着いた。


「既にここまで辿り着くのがヤバイね、水ガーデン。」


千秋は率直な感想を言った。


「駐車場広くない?」


菅原さんも率直な感想を言った。

水ガーデンの門には警備員が一人立っていた。


「おや…君達も挑戦しに来たのかい。ひっひっひ」


警備員はなんか怖かったので二人は先に進んだ。

しばらく進むと見事なレンガ造りのタイルや桜の木、階段や噴水などのある場所に出た。


「わあ、見た目だけはすごい綺麗。」


菅原さんは率直な感想を言った。


「あっっ!」


千秋は住宅を併設した西洋風建築入り口の前で血を吐いて倒れてる女子高生を発見した。


「ボナンザ!」


ボナンザはうつ伏せで血を吐き、全身から水分を奪われミイラのようになっていた。尚且つ目はこの世の"無"そのものを見たかのように虚ろになっていた。


「お春殿…ここはヤバイ。ヤバ過ぎる。」


「酷い。一体どんな展示を見ればこんな事に?」


菅原さんは率直な感想を言った。


ボナンザは辛うじて語り始めた。


「惨ノ宮駅について…そこから地下鉄乗り放題切符を買って大暗山駅まで着いたのは良かったんだ。問題はその後で…川沿いに行っても新しめの建物が多いのがそこはかとなく怖いし、歩きまくって喉とか乾くのに自販機どこにも無いし…それなりに道の分岐点多いし。」


「もういいっボナンザ、喋るな。」


「そしてドラッグストア辺りまで辿り着くとさ…かなり近いはずなのに30分くらい探してもどこにも見つからないんだよね。坂道登っても住宅街に出ちゃうし…結局、道路を挟んだ住宅街ではなく、その数メートル横の坂道を登って迂回するのだと気づいたけど。

いくら門に続く道路が広いからってさ、その道路が意外と見つかりにくかったら意味無いじゃん…ねえ?それは私が悪いの?」


「大丈夫だよ、私達もそこで30分くらい迷った。」


「私だけじゃ無かった…でも本当に怖いのはそこからで、建物の外観とかは凄い綺麗で期待が持てたんだよ。」


「それで?実際どうだったの?」


「いざ中に入ると…受付の女性が一人いてさ、なんかその人が物凄いグイグイ来るタイプだったんだよね。平日の昼間なのに客が私しかいないし…建物が二階建てなんだけど、意外と狭くて奥の方に白衣着たおじいさんが待機してるのが怖いし。

私これで結構人見知りとかするタイプだしさ。おじいさんより先は進めないワケ。進むとおじいさんの話聞かないといけないからね。絶対なんか水の力学の話とかする気だったよあの人。そして肝心の展示内容はかなり小学生向けでさ…高校生の私一人ここで何してんだって話で…

もうそれでかなりお腹いっぱいだったんだけど、帰ろうとしたら受付の女性が止めてくるんだよね。『3Dシアター見ていきませんか』って…断れないよ。私は好奇心に負けたのさ。」


「そんな、それでシアターはどうだった?」


「子供が水を飲んだら…孫悟空の声の関羽が…関羽ガァァァァァ」


ボナンザは暴れ始めた。


「落ち着いてボナンザ。」


その時、橘さんや七本槍も駆けつけた。いつまで経っても駅に来ないボナンザ達を探しに来たのだ。


「どうしたのボナンザ!」


「どうなってんだよあの映像。どっからあんな金湧いてくんだよ。マジで何に金かけてんのこの市は怖えよ。」


そしてボナンザは語り終えると力尽き、目を閉じた。


「不味いわ、ボナンザの心が破壊されたのよ。」


橘さんはなんか解説した。


「ここって小学生が…来たりする…の…?」


「ボナンザっ!?」


ボナンザは動かなくなった。


「ボナンザーッ!!」


つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る