黒い森Ⅲ - Frenzy zone of arms
潜っていく。覗き込むことを忌避していた意識の淵に。
例えるなら、深き暗き森。その奥には忘れてはならぬもの、けれど忘れたいものがあり──いつしか俺は眠らないことでその森へ入ることを回避していた。
……何も解決しないことを承知の上で。
暗闇にぼんやり浮かぶ手。その持ち主の顔は見えない。
『どうだ、1本』
差し出される煙草。
──気持ちだけもらっとく。
そう言って手を横に振ると、聴き覚えのある声がからかうように絡んできた。
『何だ、お前も健康教の信者か?』
──まさか。普段吸わないってだけだ。
俺の答えに苦笑して、ライターを鳴らす。一瞬現れる赤い炎。小気味よく閉まる蓋の音。満足とともに吐かれる煙。
『子供が生まれた途端、かみさんがうるさくなってよ。心置きなく吸えるのは任務の時くらいだな』
──仕方ないだろそれは。いくつになった、お子さん。
『もうすぐ2歳だ。この間ようやく、ファータ、てよ』
胸ポケットから取り出される写真。穏やかに笑う男女と赤ん坊が揃った、笑顔の肖像。
──おー、可愛いなぁ。
素直に告げた感想に、割り込んでくる仲間。
『親父に似なくて幸いだ』
『何だと?』
軽口の応酬。車内の空気が柔らかくなる一瞬。
……だが、その車が向かうのは戦場だ。
ああそうだ、そこにいるのは──
***
規則正しい呼吸が聴こえ始めた。
……目の前で横になっている青年の、瞼を伏せた顔はより幼く感じられる。
私は音を立てないようにそっと席を立つと、部屋の片隅にあるクロゼットからまだ使われていない薄手のブランケットを彼の身体にかける。そのまま静かに、自分の席に腰掛けた。
そっと引出しを開けネットワークカードを取り出し、ラップトップのサイドスロットに差し込む。電源を入れ、OSを起動させた。
ヒュゲルベル。『鈴の丘』を語源とするその地名は、その可愛らしい響きとは裏腹に『処刑地』を暗喩する名前でもある。
……そして、私にも忘れられない記憶をもたらす名前だった。
専用のIDを打ち込み、軍統括本部の人事課のデータベースへとアクセスする。
『Sievers, Mathias』……これで少なくとも彼が軍に所属していた頃のデータについては表示されるはず。
とはいえ、現役の隊員だけで30万人弱。既に退役した隊員だけに絞り込んだとしても、探し終えるまでには相当時間がかかるだろう。
『検索中』の文字が映るラップトップの画面を私は頬杖をついて眺め──しばしの追憶に耽った。
2年前の夏、その土地はテロリスト──『愛国主義者』を名乗る武装集団によって占拠された。 そこには町があった。数百世帯約5000人程が暮らす小さな、しかしながら『政治的難民』である人々が集まって成立した政治的に大きな意味をもつ町。
既にUSFEと欧州連合の間にあった国交は断絶しており、戦争の影がひたひたとその姿をちらつかせ始めていた頃。
『いつ戦端が切られるか分からないというのに、奴らを養う為に使う金があるのなら軍事費を拡大しろ』
意訳すればそんな意味の意見が囁かれ始め、それまで軍の中では『金食い虫』としか見なされていなかったCode*Eはそれまでとはうってかわり、対USFEの唯一の対抗策として注目されるようになった。
あの時私はラボに入って3年目。出動を要請され、あの子達──『Kitten』と共に現地へ向かい事件の鎮圧に当たることとなった。
24時間後の、7月21日午前3時30分作戦は開始され、わずか約2時間で完了。
この実績によりあの子達の実用性は証明され、Code*Eの開発チームの中で第3種が一段と優位に立つこととなった。
主任職を言い渡されたのは、その次の日のことだ。しかしそのことに対する喜びはなく──普通の子供達のようにただ可愛がっていただけのあの子達の本当の姿に私は心を揺さぶられていた。
検索完了を知らせる可愛らしい電子音で、私は我に帰った。
現れた結果は数ページに及んでいた。しばらく考え込んで──彼が生まれたであろう年で絞り込む。
次に現れた画面では、候補は1桁にまで減っていた。上から順に、彼のデータを探す。
3件目のデータを開いた時、見覚えのある顔が現れた。幼い顔立ちの写真がまっすぐにこちらを見ている。
けれど、その経歴欄の一番下には。
『2045年7月21日 死亡』
……7月21日。2年前のあの日。
どういうこと。しかも、本来なら書かれているべきはずの死因についての言及もない。
人事部のミス……いや、そんなはずはない。
──ここで私は自分の思い込みに気付く。
求人を依頼する際には、軍の人事部とラボの人事がやりとりをする。この時点で彼らが相互に了承をとっていれば、それ以上のチェック機構は働かない。
けれど……そんなことをする『意味』は?
私はデータベースからログアウトして、ラップトップの電源を落とし──彼の寝顔をじっと見つめた。
……マットさん。いえ、マティアス=シーヴァーズ君。
そこで眠っている貴方は……誰?
***
少女と青年は部屋の影でもう一人の戻りを待っていた。
クレイグが『偵察』と称して先行したのは5分程前のこと。そのまま待機の状態だ。
2人はしばらく押し黙っていたが──少女がいきなり口を開いた。
「……ねぇ」
「何です?」
「先刻はどうして『助けて』くれたの?」
正面の壁を見つめたまま、心底不思議そうに少女が訊ねた。
「うら若い乙女が死に瀕しているを見捨てるのは、紳士としての矜持が……」
「そっちじゃないわ」
冗談めいた言葉にすかさず少女が言葉を返す。
軽く息を吐くと、ジーリングは微笑を崩さぬまま答えた。
「……誰だって、知られたくない事はあるでしょう?」
ジーリングの言葉を反芻するように、少女はじっと考え込む。苦笑いして、ジーリングは付け足した。
「私もあなたも、『独り』だってことですかね」
少女はさらに考え込む。
漂う沈黙──やがて。
「あり……がとう」
青年が苦笑した。少女の、その似合いすぎて似合わなさすぎる言葉に。
「……どういたしまして」
「『魔法遣い』……さん?」
「……?」
「もう一人の人が、そう呼んでた」
「ジーリングです」
「え?」
「名前ですよ。アルフレッド=ジーリングです、お嬢さん」
少女は教わったばかりの名前を小さく復唱し──
「……ジンジャー」
ぽつりと言った。
「『生姜』がどうかし」
「名前。……私の」
「それは……ご丁寧にどうも」
言葉を返し、ジーリングはいつの間にか少女──ジンジャーがまっすぐこちらを見上げていることに気付き、途惑う。
「借り2つ」
その口が言葉を紡いだ。何のことを言っているのか分からず……数秒後得心したジーリングの表情を見て、ジンジャーは言葉を続けた。
「……返すから、ちゃんと。──いつか、返し、ます」
「……期待しないで待ってますよ」
たどたどしく、一生懸命に伝えようとする姿に青年は再び微笑み返す。だが。
「……あなたのことは私が守る……命の借りは……命で返す。絶対……必ず」
「それは……嬉しいですね」
その口調からは、いつもの冗談めいた雰囲気が消えていた。
彼女の言葉から伝わる想いはあまりに純粋で、彼の言語中枢から『軽口』なる語彙の全てを喪失させ、数分間の思考へと埋没させるのに十分な威力を持っていた。
「──おい!」
「……え?」
「気づけ! この腐れ魔法遣い!」
クレイグが正面に立っていた。
「あ、大尉。どうしたんです?」
「『どうした』じゃない。戻ってきたから、話を聞け、と……」
「すいません」
ジーリングは自身の奥底に眠っていた今更ながらの感傷を振り払う。
「俺はどうでもいいが、お嬢の仕事には制限時間があるからな。協力願うからにはお前にも働いてもらわねばならん」
「はい」
まだ彼を信用した訳ではない。だが彼のプロフェッショナルとしての思考や技量は信頼に足る。ならば、彼を見定めるにはその指示に従ってみるのが確実だろう。
「お嬢」
「……ジンジャー」
「ジンジャーっていうのか、お嬢ちゃん。……偽名としては妥当だが」
「別に偽名じゃないわ」
「……呼ぶ必要があるなら『黒』と」
「あなたの名前は偽名な訳ね」
「そうだ。……それより俺はお嬢ちゃんに訊きたいことがあるんだが」
「何?」
「何故お前のような子供が派遣された?」
「その為に私は作られたから」
「……」
「貴方は確かに人間にしては規格外の戦闘能力を持っている。私が銃を向けた時、貴方が躊躇しなければ私は身体の30%を欠損していたでしょう。無論それで行動不能に至ることはないでしょうけれど」
少女は言外に語る。貴方は私のこの外見に惑わされ、照準をわざと外した。──甘いことだ、と。
「……確かにな」
クレイグは素直にジンジャーの言葉を認める。
「潔いわね」
「事実だ」
答えながら、クレイグは妙な既視感を覚えた。この物言いは誰かを彷彿とさせる。
「それで」
次に問い返したのはジンジャーだった。
「これからどうするつもりなの」
「……さあな」
「……『さあな』って」
「ジンジャーさん、といいましたっけ。仕方ありませんよ。事態が既に想定外のことだらけですからね」
「黙れ『魔法遣い』。……俺にとっちゃお前らがここにいることのほうが余程想定外だ」
クレイグは軽く息を吐き──にっと嗤う。
「だが想定外もリスクのうちだ。状況が変わったなら仕切り直すだけ……だから、お嬢ちゃんの協力がほしいんだがな」
「……嫌だと言ったら?」
「仕方ないな。お嬢ちゃんには、『邪魔をしないから殺さないでくれ』と頼んで、別の作戦を立てるだけだ」
「つくづく甘い人ね」
「どう思ってくれても結構」
ああ、分かった。彼女の口調はアヤに似ているんだ。クレイグは得心する。
「……まぁいいわ。手伝えばいいの?」
「そうしてもらえれば助かるが……どういう風の吹き回しだ?」
「貴方はきっと私より戦闘経験が多い。なら、確実な作戦を立ててくれるでしょう」
「言ってくれる。……お嬢ちゃんがこちらの指示に従ってくれるなら、な」
それから5分後。
3人は、再び建物の奥へ向かって、行動を開始した。
クレイグが先頭を走り、途中で現れた歩哨を誰何させる隙も与えず手刀で昏倒させていく。
後ろを追うジンジャーはじっと彼の様子を観察していた。
***
その部屋は、ほぼ建物の中央にあった。
「……破るぞ」
クレイグの言葉に、ジーリングとジンジャーが頷く。
銃で電子錠を打ち抜き、クレイグはそのまま扉を開け放した。
内部にいた数人が音を立て椅子から立ち上がる。
クレイグの視線が、一番奥にいる恰幅のいい男を射た。
肩章と衿章を確認する。
「グスタフ=ボッシュだな」
クレイグの言葉は問いではなく確認だった。
返事はない。
男の視線の先は自分を守ろうとする部下の間を抜け、クレイグの背後──ジンジャーに固定されていた。
ボッシュは身を翻す。そのまま背後の扉から逃げ出した。
上官を守ろうとした部下達はその行動により虚を突かれた形になる。
瞬間ジンジャーはクレイグの前へ抜け出し、地を蹴った。同時に拳を組み合わせ、部下の1人の首筋を狙って軽く叩きつける。男は呆然とした表情のまま前に倒れこみ、動かなくなる。そのまま、すぐ隣にいたもう1人の男の肩を利用し勢い良く斜め上方に飛び上がる。踏み台にされた男の身体は更にもう一人の身体を巻き込んで、その場に崩れ落ちた。
ジンジャーは着地した。
「……」
「貴方が手刀を打ち込んだ位置と、力加減を真似してみた。……多分死んでないと思うけど」
「──上出来だ。……っておい!」
ジンジャーはボッシュを追い始める。
「これだからお子様は」
瞬間、クレイグも走り出す。しかしその口調に焦りはなかった。
***
追ってくる。『執行者』が。自分を殺すために。
何故だ。
ボッシュは全力疾走しながら、自問する。確かに私は機密の幾つかを他国に売り渡した。だが、それを行なっているのは私だけではない。何故私だけが粛清の対象に?
必死に走る姿に、歩哨が気がつき、近寄ってくる。
「何をしている! あの子供を止めろ!!」
歩哨は惑いながらも、追ってくる少女を阻止するべく上司との間に壁を作り、銃を連射する。しかし少女のスピードの前にその銃弾はことごとく彼女の後ろの床に突き刺さる。
『だが』、とボッシュは考える。
あの『執行者』は私以外の人間を殺すことに躊躇いを感じているように見える。
彼女は床を蹴り、歩哨の何人かを昏倒させ、何人かは飛び越え、ターゲットであるボッシュに迫る。
すかさず別の歩哨が彼女の前に立ちはだかる。やはり少女は殺さない。
運がいい。このまま何も知らぬ部下達をけしかけ続ければ、『あの場所』へ逃げ込む時間を稼げる。逃げ込んでしまえば、例え『執行者』と言えど私を殺すことは不可能だ。
正面に、『その場所』が見えた。
ボッシュは上着の懐から何かを取り出し、スイッチを押す。正面の扉がモーター音と共に少し浮く。
人一人が入れるほどの隙間。飛び込むように入り込み、内側から扉の取っ手を引き、上へ捻り上げる。
正面の重厚な扉が低く軋み──重い音を立てて閉まった。
「……は、ははは」
息を切らせながら、笑いが零れる。逃げ切った。私の勝ちだ。
──その表情は、扉の外から聴こえる音に凍りついた。
***
目の前を走る少女の正面で、扉が閉まった。
「奴は中か?」
ようやくジンジャーに追いついたクレイグは呟く。
「ええ」
ジンジャーは頷いた。
「逃げ込まれたか……」
「破れますか?」
「さてな」
ジーリングの問いに答えながら、クレイグは扉を破る方法について思考する。C4は持ってきているが、この扉を破れる程の破壊力は期待できない。厚みから言えば件の大型戦略兵器を連続使用でもしない限り破れまい。
「道具なんて、いらない」
いつの間にかジンジャーの両手にはあの巨大な二丁の銃が握られていた。
「……破れるのか」
ジンジャーは答えず銃口を扉へ向ける。2人は一歩下がって、少女の挙動を見守った。
次々と発射される銃弾。吐き出される薬莢。
クレイグの鋭敏な聴覚が早すぎてほぼ一射にしか聴こえない銃声から弾数を捕らえる。
銃弾は綺麗に円を描いて、扉へ突き刺さっていた。32発の銃弾が、1mm程食い込んで停止している。
「やはり無理か……」
「──いえ」
ジンジャーは構えてた銃を下ろす。
クレイグとジーリングは無言のまま、目を見張った。
「もう終わった」
少女の言葉に呼応するかのように甲高い金属音が響き渡る。
円を描いて刺さっていた銃弾は一瞬縮み始めたかのように見えた。
しかしそれはすぐに錯覚と知れる。細胞が壊死していく映像を早回しするかのように銃弾は自身に溝を刻んでいく。溝はどんどん深く削られ、残った部分は段々細くなり、最後はバネ状の螺旋を描く『線』が出来上がった。
それはゆっくりと回転を始め、徐々にその速度を上げていく。彼らが聞いたのはその螺旋状の『線』が火花を散らしながら、扉の向こう側を目指して潜っていく掘削音だった。
やがて銃弾の潜っていった個所は完全に穴が穿たれ、扉の向こうから一瞬断末魔の声が上がり──沈黙した。
***
深い眠りの森。閉じ込めた記憶をなぞりながら、たゆたっていた意識が急激に出口に向かい始める。
誰かが呼んでいる。半ば暴力的に引きずり出そうとするかのように。
何と言っているのかは分からない。けれど、その意味は──
勢い良く身体を起こす。
「マットさん? 大丈夫ですか」
リュシュカさんが慌てて立ち上がる。机の上には開いたラップトップ。
「はい……」
気もそぞろに返事をして、俺は感覚を四方に張り巡らせる。
嫌な感触。まるで嵐の前の静寂のような──
「……マットさん……?」
怪訝そうに問う彼女の声。
しかし俺はそれどころではなかった。囁きかける違和感の許を探りつつ、意識を集中する。
その時。扉をノックする音がした。
「──ミラー博士、いらっしゃいますか」
「はい」
彼女が返事をして、立ち上がる。
頭の中で、だんだんカタチを成す『意志』。
それは俺の理解しうる言葉ではないのに、頭の中を蠢き、急激に膨張し──理解可能な『意味』と言う形を成す。
……早くしないと、みんな、死ぬよ。
全身に鳥肌が立つ。だが、『声をかけていては』間に合わない。
俺は扉へ向かう彼女の方へ駆け出し、その身体を無理やり床に押し倒す。
轟音が鳴り響いたのはその直後だった。
頭上を音速を遥かに超える『何か』が通過していく。それは超音速の衝撃波を従え、室内の全てを蹂躙していった。
背中の数十cm上を走るその衝撃波に少しでも触れれば人間の身体などあっさりとえぐられ、死に至るだろう。俺は彼女の身体に半分覆い被さるカタチでそれが止むのを待つ。
音と突風のような衝撃波は数十秒間続き──やがて静まり返る。
指先に触れる粘着質の感触。俺は顔を上げ、正面にある扉を見上げた。
分厚い板は蝶番ごと引き剥がされ廊下側に倒れ込み──その扉の下からは大量の血が流れ出していた。
***
「ヘカトンケイルによる制圧砲撃終了。各アクセラはレベル2をリーダーに小隊を編成。完了しだい掃討戦に移る」
指揮官は正面の画面に映る同じ顔の少女の『群れ』に向かい、指示を行なう。頷きもせず無機質に編成を組み直す少女達を見つめる彼に、副官が訊ねた。
「念のため随行させたレベル7の扱いはどうしますか?」
「突出した戦闘能力はマイナスにしかならん。この場で待機させろ」
「了解です……しかし」
その声に惑いの感情を読み取り、指揮官は問い質した。
「何だ」
「重量100kgを超える化物のような重対物ライフルを、運搬用車両も必要とせず基地から300kmの距離を航空機並みの速度で走破し、直径10kmもの街を包囲するのにかかった時間はたったの5分。この上通常弾では傷つけることも適わず、亜音速で地表を駆ける兵士など……なぜ、それがこんな……こんな少女の姿をしているのですか!」
「感傷も程々にしておけ。完全装備の1個中隊を単独で全滅させる『化物』。そう思うことだ」
副官の現実を突きつけられた苦渋の叫びとも取れるその言葉を、指揮官は逆に安堵を感じながらもたしなめた。
「納得などできませんよ! 我々の制圧目標は10にも満たない子供達だと聞いています! こんな……こんな現実が……」
「そうだな……確かにこの戦場は」
応える指揮官の口許は、
「狂っている」
かすかに上向きにゆがんでいた。
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