動物愛護 / animal welfare

「天使が来たよ」日が暮れてから妹が言う。窓の外を見ると、アラビア風の衣装を着た男が立っている。男が口を開くが何を言っているのか分からない。男が少し笑って、玄関の方へ向かったのが分かる。慌ててドアに鍵をかけようとするがドアノブがない。甘い匂いのする煙が部屋に入ってくる。「いけない」私は大きな声で叫ぶ。「いけないことだよ」。妹は興味がなさそうにトーストを焼いている。

ドアが開かないようにしないといけない。私はうさぎの群れを見つけ、その中に駆け込む。黒いうさぎを見つけると抱き上げる。「ねえ、これはぬいぐるみなの」私はひそひそ声で妹に尋ねる。「わからないわよ。それでも食べられるものではないわ」妹がつぶやく。いよいよドアベルが鳴る。「いけない」私はまた叫ぶ。私が抱き上げた花瓶のバラの花がゆっくりと枯れていく。妹が悩ましげな視線を投げかける。悲しい物語を口にしている。勢いよくドアが開く。男が瓶を持って立っている。瓶の中には妹がいる。妹はアラビアの歌を歌っている。私は声を張り上げて抗議する。「そら見たことか。だから言ったじゃないか」

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