ショートショート「地球のお医者さん」
ぼくのお父さんは、地球のお医者さんです。
いま、地球は病気にかかっているんだよ、と、お父さんが教えてくれました。
お父さんは地球を元気にするために、一生けん命働いています。
ときどき、ぼくのうちや工場に、お父さんの仲間の人たちが訪ねてきます。
みんなむずかしい顔をして、お父さんに質問をして、むずかしい顔で帰っていきます。
地球のお医者さんを始めるまえ、お父さんは工場長でした。今も工場長です。でもあまり仕事がないそうです。世の中が不けい気だからです。
「地球が元気になれば、けい気もよくなって、みんな笑顔になれるよ、だから、地球をかん病してるんだよ」と、お父さんは言います。すごくカッコイいです。
こないだぼくが風邪をひいた時、お父さんはすぐ気づいてくれました。ぼくにおでこをくっつけて、熱があるぞと言いました。そしたら熱がありました。さすがお父さんです。
お父さんはおでこを使って、地球の熱をはかります。
地面におでこをつけたまま、「大じょう夫です」とか「もう少し待ってください」とかを言います。
お客さんが帰るまで、ずっと熱をはかっているのです。
お父さんは本当にカッコイい、地球のお医者さんです。
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