第4話 無人の村
僕たちは、村の前に立っていた。
何かがおかしいと思った。いや、どこがおかしいかはもうわかっている。村の中に人の気配がないのだ。
「誰もいないね」
「ああ、どうする?」
「入って見る?」
「大丈夫だろうか?」
「大丈夫だよ!お兄ちゃんなら何があっても解決できるでしょ?」
「・・・余り期待し過ぎないでくれ。まあ一応入ってみるか」
──────────────────────
ふむ誰もいないな。ただ人形や、獣形等の色んな種類の魔物なら沢山いるが・・・
「・・・というか何故これだけいて気配を察知出来なかったのだ?」
「ん~村についたから少し安心してたんじゃない?」
「まあそこはどうでもいいか。リン補助お願い」
「オッケー!」
〝
「ありがとうリン」
(消滅魔法:
と頭の中で唱えた瞬間、蔓のようなものが魔物の周りに生えて来て絡み付き絡み付き、みるみる干からびっていった。
「やっぱ全部は、むりかじゃあ」
(
残っていた魔物が、いきなり溶けるように崩れて行った。
「お兄ちゃん今のは?」
「これも
「す、すごい、すごいよ!お兄ちゃん!」
「消滅魔法のストックはあと少しだな」
「わー楽しみ~」
『まあリンが楽しんでるならいいか』
「ところで少し疲れたから本当に誰もいないか確認してから今日はここで休まないか?」
「そうだね。じゃあ、村の中を探検だー!」
「お、おー?」
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「本当に生きてる人誰も居なかったね」
「そうだな・・・ただ、ミイラ化しかけてる死体なら沢山あったがな」
「んーどうして死んじゃったんだろうね?」
「やっぱさっきいた魔物だろうな」
「じゃあもうご飯食べて家借りて寝よう?」
「そうだな。じゃあ、ミイラ消しておく」
「ありがとうお兄ちゃん!」
────────────────
「じゃあもう寝るか」
「ん、おやすみ~」
ご飯食べた後少し雑談をして丁度良い時間になったので寝ることにした。しかし、今日は僕は寝ないで警戒することにしていた。
『何か妙なんだよな』
そう何か妙なのだ村一つ全滅したのにこんなにあっさり解決するわけがないと思う。
『まあ全滅したのは、結構前みたいだから考え過ぎの可能性もあるが・・・』
〝霊属性魔術:暗示〟
小声でそう唱え暗闇でも良く見えるようにした。
あとは何もなければ朝まで警戒するだけだ。
4刻ほど警戒したが何も起こらない。
いまは丁度真夜中辺りだ。
僕はなにも起こるなと、祈りながら警戒していく。
リンの周りには、混合魔術で物理的に効果がある敵が近くと感電死し、霊的に効果がある敵だと思わず叫んでしまうほどの激痛を与え、消えるようにしている。
少し飽きて来たら警戒しながらリンの頭を撫でたりして時間を潰していく。
・・・そしてなにごどもなく朝になった。本当になにもなかった。少し考え過ぎたようだ。
「ムニャ?・・・おはよう?」
リンのほっぺをつついて遊んでいたら起きてしまったようだ。
「ああ、おはようリン」
「うんおはよう~・・・あれ?お兄ちゃん少し疲れてない?」
「ん?ああちょっと気になることがあって夜警戒してたからな」
「え?そんなこと知らないで寝ちゃってた!お兄ちゃんごめん!昨日狩った動物でご飯、作っておくからお兄ちゃんは少し寝てて!」
「え?でも」
「何かあったらすぐ起こすから、ね?」
「じゃあ少し寝かせてもらうよ」と言い僕は少し眠りについた
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起きたらもうご飯が出来ていてた。
2刻ほど寝ていたらしい。少し寝たら夜の疲れが取れた。
「リン、気を使ってくれてありがとな」
「いや、お兄ちゃんは、いつも私を守ってくれてるじゃん~こんくらいお兄ちゃんに比べたら普通だよ!さ、ご飯食べよう!」
リンは、照れ臭そうに言い、話題を反らした。
「ああ、そうだな」
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ご飯を食べおわり、この村を出発することにした。
次の中継地点までは今回の長さよりかなり長いから頑張らなくてはな
「じゃあそろそろ出発するよ~出発!」
「おー」
僕らはまた楽しく森の中を歩いていくのだった。
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