1章-⑦:そして町に着いた!…ついてくるのか?

「178歳って…ロリババァじゃねぇかァーー!!」


と目の前の年齢詐欺のロリッ子のステータスに明記されていた年齢に対して叫んだ瞬間、2人の年齢詐欺少女はビクッ!と驚き身を潜めた。

俺は『剣』に“魔力放出”を籠めると、剣圧で2人の被っているフードを吹き飛ばした。


「うっ!?」

「きゃ!?」


吹き飛んだフードの下からは2人とも傍から見れば美少女に分類されるであろう顔をしていた。とても178歳とは思えない…しかも、2人共髪型も若干違う様だがほぼ同じだった。おそらく双子か何かと推察した。

唯、1人は紫色の髪に金の瞳、耳が少し尖っており、その顔の頬に微かに紋様が施されていた。

もう1人も顔の特徴は同じだが、朱色の髪に金の瞳をしていた。

そして、どうやらこの2人の少女は、俺がこの世界に召喚される根本であり、巻き込まれた原因の1つである、人間に敵対関係にある筈の【魔人族】であった。


(この見た目で、魔人族って長寿なのか?…)

“イエス、マジンゾクハ、ヤク500ネンハ、イキルトイワレテイマス”

(まじか?)

“マジデス!”


俺は心の中で『剣』に尋ねると魔人族について教えてくれた。

魔人族は人間と異なり産れてから約200年は幼年期でそれから約200年で成年期となりそれから100年で老年期となるようだ。

魔人族の特徴は、その長い寿命に金の瞳、普通の人間より少し尖った耳、肌白い皮膚で頬に紋様があるようだ。


「…長生きなんだな、魔人族って」


『剣』から教えられた魔人族の寿命についてそう呟くと2人は驚いたようだ。


「…どう、して、わかったの?」

「私達、の事?」


俺に疑念を持ちつつ聞いてきた。それに俺は特に気にすることもなく正直に答えた。


「単純な問いだな。お前達のステータスを“心眼”という能力で覗いて確認したからだ。…ちなみに、俺はお前達が魔人族だろうがどうこうする意思はないぞ」

「私達の…」

「ステータスを…」


不思議そうな2人の魔人族の少女が俺やセシリーと同じ“恩恵”と呼ばれる固有魔法を持っているようだが、俺は興味が失せてきたので踵を返して森の先にある町を目指して歩き出そうとした。

そんな俺に気付いたのか2人は「「待って!」」と俺の服の袖をつかんで止めた。

俺は目を細め睨む様に問う。


「…何の真似だ?…俺は他人であるお前達に興味はないんだが?」

「ちょ、ちょっと待って!」

「わ、私達、も、一緒に連れて行ってなの!」


双子の魔人族少女?は必至な表情で俺に同行を願ってきた。だが、


「断る」


一瞬だった。無慈悲な一言だった。

二人の表情はポカンとしたものだった。

惶真はこう思っていた。「なんで気ままな旅に従者を付けないといけないのか?」と…

ほっといて行こうとするも、二人がしっかり服を掴んでおり、惶真は二人の手を外す様に睨み付けるも、ビクッと震えるも一向に外す気配がない為、惶真は大きくため息を付くと、面倒だが仕方ないので、この二人の事情を聞くのだった。


「…わかった。聞いてやるから、取り敢えず手を放せ」

「ホントに?」

「逃げないの?」

「ああ。逃げないから…」


そう言うと2人は手を放してくれた。

そして惶真は髪を掻いた後溜息を付きながら先程倒したダイノボッドとか言う魔物の死骸に近づくとダイノボッドの死骸に右手を向けると“恩恵・変成”を発動した。

取り敢えず話を聞くにしても座る場所がほしかったので、その死骸にかけたのだ。“変成”を発動すると死骸に黒い炎の様な魔力が包み込み、死骸の形が変わっていく。そして数秒もせず恐竜の死骸は3つの椅子の様な岩に変わった。


(成功…だが…くっ!?)

「「えっ?なに、これ!?」」


惶真は、魔物に有効である“変成”の効果を確かめる為に”変成“の魔法を掛けたのだが、なんと1000を超えているはずの保有していた魔力がごっそりと失ってしまった。

惶真は少し顔を顰めて体がフラッとなったがなんとか持ち堪えた。


(…魔物に対する“変成”は容易じゃないようだな…)


“変成”の使用にはもっと魔力がいるなと考えていると2人の少女?の方に視線を向けると2人は口を開けポカンとしていた。

取り敢えず疲れたので俺は変成させた椅子に座った。未だに呆けている2人に「座らないのか?」と声に掛けると2人共「はっ!」と正気に戻ったのか慌てて座った。



「メンドイけど聞いてやる…なんで俺なんだ?聞いた話だと、俺は、お前達の種族である魔人族とやらの大敵の人間のはずだろ?」

「うん…あなたの言う通り確かに魔人族は昔から人間と争ってるよ」

「でも、全ての魔人族がそうではないの」

「…そうなのか?」


城を出る前にステラ姫やヴァレンシュ騎士長が口にしていたのと少し違うな。確か、魔人族は魔物の血を継いでいるからか、好戦的な者が殆どだと言っていたのだが。

何故魔物の血を持っていると好戦的なのかと認識されるのは、魔物という存在が人間にとって害獣だからだ。


「うん…争いの嫌いな人だっているはずだもの」

「うん…魔王様の意思に従っている者が大半だと思う」

「お前らは違うのか?」

「うん、私達は特別な力を持っているけど」

「争いに向いてないの」


まあ。こんな子供の姿では戦力にはならないな。それより、


「特別な力ってのは、お前達が所有している固有能力“恩恵”ってやつのことか?」

「そうだよ。あなたも持っているのと同じものだよ」


おや?…紫の髪をした方の子はどうやら気付いたようだ。…いや、朱色の髪の子も頷いてる……なかなか勘がいいのか、この“恩恵”が珍しいものなのかどちらかだろうか…とりあえずこの2人に聞いておくか、この"恩恵"について知っていることを。


「お前達はこの“恩恵”って力が何なのか知ってるのか?」

「私達も詳しくは知らないわ」

「でも、この”恩恵”と呼ばれるものは7つあると聞いてるの」


ほぉ~7つか…

俺に、セシリー、この双子を合わせて既に4つの持主が出逢っているのか。…何か因果でもあるのかな?

“イエス、カモシレマセンヨ、マスター”

(そうなのか…ってよく知ってんなお前)

“キョウシュクデス”

(褒めてないし)


『剣』に視線を向かって“意思疎通”をしていると、不思議そうな表情をした双子姉妹が質問してきた。


「ねえ、あなたは今、誰かと会話してるの?」

「その剣なの?」

「ん?あぁ、そうだ。森の入り口でさっき手に入れたんだ。意思があるらしくてな、なかなか便利だぞ。色んな事を教えてくれるからな。俺も此方に来て不慣れな事が多い方だからな」

「意思のある剣…てことはなの」

「うん、それって、魔剣インテリジェントソードなのね」


へえ~そう言う名なのか…

“イエスデス。ブンルイデハ、ソウイワレテマス”


「それが、あなたの“恩恵”なの?」

「いや、これは別だ」

「…もしかして、さっきのダイノボッドにしたようなの?」

「そうだ。詳しくは言う気はないぞ」


いつか敵になるかもしれない奴らに教えるのは愚策と言えるだろうしな。


「俺についてはそれくらいでいいだろ……さっさと本題を話せ、お前達の事情をな」

「…そうね」

「…えっと、私達は【ネクロバレー】と呼ばれている場所に行きたいの」

「ネクロバレー?」

「この世界の何処かにある遺跡なの」

「遺跡かぁ…そこに何があるんだ?」

「ネクロバレーの遺跡には、この世界においてありとあらゆる呪いを解く事ができると言われているの」

「…………呪い?」


確かに“心眼”を用いてこの2人のステータスを確認した際に、特殊技能の項目が“呪い”の状態となっていたが…


「そうだよ…マナ達には産れた時からある呪いが掛かっているの。その呪いがあるからかな、私達は“恩恵”以外を使う事ができないの」

「しかも、カナ達の持っている“恩恵”の固有魔法は魔力を多く消費するの。だから、一度発動するだけで魔力酔いになるの」


魔力酔い?なんだそれは?と不思議に思っていると『剣』が教えてくれた。


“マリョクヲ、イチドニオオク、ショウヒスルト、オチイルジョウタイデスネ。カルクデ、フラツククライデ、カジョウダト、イシキヲ、ウシナウコトニナリマス。チナミニ、サキホド、マスターガ、フラットナラレタノモ、ソレデス”


そうか。良い事を聞いたな。しかし…


(その片言の喋り何とかならんか?)

“イマハ、ザンネンデスガ…”


そうか…

しかし……


「そんなんでよくそのネクロバレーって所に行こうと思ったな? 普通、他の同族に護衛とかなんか御願いして貰えばさ…」

「それは、無理よ…」

「だって、皆、私達を気味悪がって、私達を追い出したの…」


能力も満足に使えず、見た目が幼い女の子が2人で旅をしている事実に疑問に思って同族に護衛とかを頼んだらどうかと聞いたのだが、二人は悲観そうに眉を下げ呟くように教えてくれたのだが、おやおや憂鬱な展開だな。


「それで、2人で仕方なく旅をしてたの」

「幸い、私達の見た目がこんなのだから、何とか、ここまで来れたけど」

「あのダイノボッドみたいな強力な魔物が現れるかもしれないから」

「…だから、同じ“恩恵”の力を持つ同類なら、例え敵対関係のある人間であっても強いのならって思ったわけか。それで俺に同行したいと」

「……うん」

「…だから、お願いします」

「「近くまででいいので、一緒にお願いします!!」」


必死な様子で頭を下げてお願いしてきた2人に、俺は「どうするかなぁ…」と考える。温情ありな話だし別にいいかという思いと、面倒事になるなという思いがあった。

いろいろ考え俺はこう結論付けた。


「やはり断るよ。俺は気ままな旅がしたいだけだからな」


断られたと2人は悲しそうな表情を浮かべる。そんな2人に、一言付け加える。


「だが、勝手に付いて来るのならいいんじゃないか。俺にお前らの行動を止める義理もないしな」


それは、ある意味この二人の同行を認めた意味があった。

その言葉に悲しそうだった2人は嬉しそうな表情に変わった。そして二人は御互いの顔を見詰めると、頷き合うと惶真の顔を見つめると笑顔で宣言した。


「「はい!では、勝手に付いて行きます!よろしくです!」」

「だから、勝手にしろ」


そう言うと惶真は照れ臭くなったのかそっぽを向いた。

そんな惶真を微笑ましく頬を赤くしながら2人は見詰めていた。


こうして新しい同行人と不思議な剣を伴う事となった。

不思議なものだな。あちらでは人間嫌いだったはずだったのに…

他人をこうも受け入れているのだから、環境が変わればというのは本当だったようだ……


~~~~~~~~~~~~~~~~


同行を許した後、軽く自己紹介をしておいた。

正直ほとんど同じ双子の様で、どちらがどっちか分かりづらかったのだ。一応ステータスを確認すればすぐにわかるがいちいち使い、魔力を消費する事もないだろうと。因みに2人はクロノカードを持っていなかった。クロノカードは人間族に流通しているのであるようだ。


まず俺のクロノカードを2人に見せた。見せた途端2人は目を点にして絶句していた。面白いな。


=========================

〔クロノカード〕

所有者此花惶真このはなおうま 年齢:17 性別:男 レベル:2

職業:― 種族:人間(異世界人)

筋力:1270

体力:1480

耐性:1350

俊敏:1260

魔力:2200(200)

魔防:1640

固有技能:恩恵・固有魔法【変性・変成】

《特殊技能》

戦闘系:剣術:金剛:瞬歩:剛力

魔法系:耐魔力【全属性】:詠唱破棄:魔力放出:魔法適正【黒】

補助系:言語理解:気配感知:気配遮断:心眼:威圧

天職系:鑑定【魔物鑑定/魔石鑑定/食糧鑑定/武器鑑定】

=========================


「…なにこれ!?」

「…凄いの」


まぁそう言う感想になるわな。軽くチート越えしてるからな。興味津々といった2人はいろいろ質問してきた。


「異世界人ってなに?」

「そのままの意味だ。俺はこの世界の人間じゃないんだよ」


俺は不思議そうな2人に昨日の出来事について、勇者召喚について話した。


「そんな事があったんだ」

「…最悪、あなたと何処かで出会ったら瞬殺されちゃっていたかも、なの」

「でもどうしてオウマはここにいるの?他の召喚された人達もいるんだよね?」


“オウマ”か…セシリーからも呼ばれたが、他人から名前を呼ばれるのって不思議な感覚だな。今まで名前を呼ばれることなんてなかったからなんだか新鮮な気分だ。


「あぁ。他の奴らなら今も王都にいるんじゃないか?興味ないけど…俺は“女神の加護”ってのがなかったんでな、王宮から追い出された、という感じだな」


正確には自分から出たのだけどな…


「それは“恩恵”があったからなのかな?」

「恐らくそうなんじゃないか?なんで持ってるのか不思議ではあるが」


この力は地球にいた時からどうやら持っていたようだしな…


「御主人様はどうして旅をしようと思ったの?国から追い出されたわけじゃないんでしょ?城下で暮らしても良かったと思うの」

「…取り敢えずだが、なんで“御主人様”なんだ?」

「私がそう呼びたいからなの!」

「……」


朱色の髪の子はご奉仕タイプのようだ。どうでもいいけど…


「…そうか。まあいいか。その答えは、自由にいろんなとこを見てみたくなったからかな。俺は今まで自分に嘘を重ねて生きてきた。けど此処ならそんな事を気にする必要ないからな」


と、まあ、大体教えられる事は答えてやったかな。“恩恵”の事は魔物を変質させる力と半分半分の説明をした。


そして次は2人の番だ。先に紹介したのは俺を呼び捨てで“オウマ”と呼んだ紫色の髪に金の瞳をした少女だ。


「私はマナ!マナ・リアです。勝手に付いて行くのでよろしくね、オウマ!」


元気良い方がマナの様だ。

俺はマナを見つめつつ(なんだか若干頬が赤くなったな)、マナのステータスを“心眼”で読み取ると“変性”を使って俺のクロノカードに表示した。因みに俺はこっそり“変性”で2人の魔力値を自分の分に変換している。魔力はあればあるほど有用性も上がるしな。


=========================

所有者:マナ・リア 年齢:178 性別:女 レベル:1

職業:― 種族:魔人 

筋力:10

体力:30

耐性:10

俊敏:20

魔力:100

魔防:50

固有技能:恩恵・固有魔法【昇天】

特殊技能:呪いの為封印中

=========================


「わあ!私のステータスってこんな風なんだ!…すごいね、このクロノカードって。私もほしいなあ~」

「俺のはやらんぞ?」


チラチラ物欲しそうな目で右手の人差し指を口に当てた表情で俺のクロノカードを見つめるマナに釘を刺しておいた。


“チナミニ、クロノカードハ、ソノ、ショユウシャ、シカ、ツカエマセンノデ”


追加説明ご苦労さん。しかしこの『剣』、よく知ってるな。


“ソレホドデモ”


俺が『剣』とやりとりの後、“恩恵”の固有魔法について聞いてみた。


「この“昇天”て、どんなのなんだ?」

「私の固有魔法“昇天”はね、対象の穢れを浄化する魔法なの!」

「穢れの浄化?」

「そうだよ。対象の毒とか、麻痺とかを消す事ができるの。そしてね、この力はアンデット系の魔物に対して使うとその魂を浄化できるらしいの」

「それは…? らしい、とはどういう意味だ?と言うかこれ使えば“呪い”を消せるんじゃないのか?」

「うぅん、詳しくはよく解らないの…私、この能力昇天使ったことがないから。と、言うか、魔力が足りなくて使えないが正しいの」


成程な、何となくだが有用性がありそうな感じがするんだが、これも魔力を多大に使う様だな。まあ、巨大な力には何かしらのリスクがあるのは当然だが…


次はもう1人の朱色の髪に金の瞳をした子だが、と言うかもう解ったからいいんだが、なんか涙目で、まるで「マナばっかりズルい!」と言うように目を潤ませて見つめてくるので紹介させた。


「そのぉ、私の名前はカナ。カナ・リアです。何卒よろしくなの、御主人様!」


丁寧大人しめな感じだ。しかし御主人様呼びに、若干ムズ痒い感じがするな。まあただの一学生が御主人様なんて呼ばれるなんてありえないから仕方ない。…オタク気味だったからかな?

取り敢えずマナ同様に"心眼“で覗いたカナのステータスを写し出した。やはり"心眼”を使うとカナも頬をうっすらと赤く染める。


=========================

所有者:カナ・リア 年齢:178 性別:女 レベル:1

職業:― 種族:魔人 

筋力:10

体力:30

耐性:10

俊敏:20

魔力:100

魔防:50

固有技能:恩恵・固有魔法【再生】

特殊技能:呪いの為封印中

=========================


どうやら流石は双子と言うかステータスは一緒だった。

取り敢えずこの“再生”とやらの“恩恵”固有魔法について聞いてみた。まあ、名前からなんとなくそうじゃないかなぁと言う気がしてるが。


「はい、私のこの“恩恵・再生”はモノでしたら何でも元の状態にする事ができるの」


やっぱりか。これはかなり重要な力と言えるだろうな。使い方次第で不死にでも成れそうな気がするし。

しかし…


「そんな便利な…あまり使えないのか?」

「う、うん…私のも魔力が足りなくて、使えても一回が限界なの…だから実はどんな効果かいまいち解らないの」


なんというか2人とも宝の持ち腐れだな…よくそんなんで今まで無事だったなコイツら。

ついでに1つ気になった事を聞いてみた。


「そう言えば、なんでほとんど使った事がないのにその能力が判ったんだ? マナも、カナも」

「…よく解んないかな?この昇天に目覚めた時になんか漠然とした感じで頭に浮かんできたんだよね」

「うん、私も“再生”を得た時もマナと同じ感じだったの…その、御主人様は?」

「…ん、俺もよく解らんな。この世界に来てなんとなく理解した感じだし…」


こんな事ならセシリーにも聞いておけばよかったか…でも、セシリーは理解してなさそうな感じだったが…個人差、と言うかそもそもセシリーは力が目覚めていなかったしな。


そんなこんなでお互いに自己紹介した後、王都で購入した“精神回復”効果のあるドリンクみたいなのを飲んだ後、取り敢えずこの森を抜ける為歩き出した。

マナとカナも「行きましょ!」「頑張って付いて行きます!」と随伴してきた。

次の町がある方向は『剣』が教えてくれるので迷う事がないし魔物が近くにいると直ぐに教えてくれる。この『剣』凄いな…


“ソレホドデモ/テレテレ”


照れてるし、凄いな。あとマナもカナにも『剣』の声が聞こえる様にリンクしてやると驚いていた。


森を進むにあたって、今のマナとカナは正直戦力にならないので出来る限り魔物に出会わない様に出口に向かった。途中ゲームとかでおなじみの醜い顔をした緑ぽい皮膚の【ゴブリン】や小さい灰色のウサギに頭部に角がある【ラビトン】という魔物に出会った。『剣』が居場所を正確に索敵してくれるので奇襲されることもなく出会ったら当然瞬殺した。ただその様子を見ていたマナとカナはボ~と頬を染めて俺を見つめていた。


(なんなんだ?こいつら?)

(“マスターハ、ドンカンデスネ…”)

(ん、なんか言ったか?)

“イイエ”


変な奴だな。意思のある剣ってだけで十分変だが…


そんなこんなで流石に深いのか森を抜けるのに二日掛かった。

夜には周辺に“威圧”を魔力放出したり、何かあったら『剣』が教えてくれるので魔物に襲撃されることもなかった。

その間マナもカナも色々話し掛けて来た。

因みに食料は森に生えている植物や魔物(ラビトン)を狩って食べた。

マナとカナは不安の眼差しだったが、植物は“鑑定”を使ったので問題ない。2人の不安の元である魔物の肉は、本来人間が摂取すると毒にしかならないのだがそこは俺の“変成”を利用した。利用する度に魔力を多く使用したが…森を抜ける頃には精神回復薬が底に着く気がする。次の町ではもっと買っておく方がいいだろうな…


そして、森を抜けた先にセシリー達に教えて貰った町【エルドラ】に着いた。


おまけ~鑑定品~

=======================

名称:無銘

種類:魔剣インテリジェントソード

レア度:Ⅶ

所有者:此花惶真このはなおうま

『能力』:意思疎通:念話疎通:索敵

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おまけ~魔物図鑑~

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ゴブリン

種類:妖精種 レベル:5

筋力:40

体力:30

耐性:40

俊敏:20

魔力:0

魔防:30

『特殊技能』:棒術:眼力

======================

ラビトン

種類:獣種 レベル:5

筋力:40

体力:40

耐性:40

俊敏:60

魔力:0

魔防:30

『特殊技能』:俊足:危機感知

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