第4章【クラン大抗争】4節【闇の手先との戦い】

もうテラリアの構成員たちはそっちのけで、4人は闇の手先との戦闘を始めようと各々の武器を取り出し、戦う準備を整える。

「さすが都市最強。装具の等級も並々ならぬ数値ですねえ」

都市トップレベルともなれば、武器防具の等級も最高級でないと耐えられない。

「装具の等級もだが、大事なのはその持ち主の技量だぜっ…!」

「みすみすと逃してなるもんですかあっ…」

「さて、お手並み拝見といきましょう…!」

今回の戦闘は市街地。ゆえにあまり強力なスキルは使えない。

「ふふ、なかなかやりますね~。でもここでやられるとこっちが困りますからね」

「あなたたちは、この都市をターゲットになにをしでかすつもりなのかしら?」

「それに答えると核心の部分を晒すことになりますけどね。あなたたちは迷宮神聖譚ダンジョン・オラトリオは知っていますよね?その最終章がヒントです」

「迷宮神聖譚…の最終章……あっ!まさか!?」

「たぶんあなたの想像で合ってると思いますよ。まあ対策でも考えとくことです」

男はそれだけ言い置くと、現れた時と同じく、虚空に消えた。

その直後。

「なあ姉貴、さっき何か気づいたようなこと言ってたけど、なんなんだ?」

「ねえ、みんなは迷宮神聖譚ダンジョン・オラトリオは知ってるわよね?」

迷宮神聖譚は、この世界に住むものなら、子供でも題名ぐらいは知っている。

「じゃあ、それの最終章に出てくる怪物モンスターは知ってる?」

「…あっ!まさかあの黒龍のことか…!?」

「最終章を飾る怪物っていったら、【漆黒の巨龍】しかないですよ。太古に最強の英雄が、自らの命と引き換えに片目を潰してこの大陸から追い払ったっていう」

迷宮神聖譚ダンジョン・オラトリオ最終章ファイナルを飾るのは、闇より濃い漆黒の巨龍。その圧倒的な強さから、この世界では暴虐と破壊の象徴シンボルとして恐れられている。

さらに、この情報から成立する推測。考えたくもないのだが…

「まさか、あの伝説の怪物にこの迷宮都市イルメリアを襲わせる気なの…!?」

しかし、悟ったところでもう回避(阻止)は不可能。撃退もできるかどうか…





次回→第5章【魔軍侵攻】1節【混乱の前触れ】           END

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