第3章【戦場に吹き荒れる暴風】2節《迎撃=東》

東西南北、4方向から攻め寄せてくるリミアの軍勢はおよそ1万以上。

対して、迎撃するスカイドラゴンハンターズギルド精鋭はたった10名。

数だけ見れば、全くかなわないものの、彼らは全員LV,9以上の猛者であり、LV,3以下がいくらいようと、どうってことはない。

===========迎撃=トロスト東区・コウガサイド=========

トロスト東区城壁外では、コウガが待機しており、迫る軍勢を待ち構えている。既にイフリートも抜剣し、右手に構えた状態だ。

まずは挑発タウント・威圧スキル【修羅しゅら狂奔きょうほん】を発動。相手の兵を大きく押し返した。本来、威圧系スキルは物理的に相手に干渉はできない。あくまで相手がそう感じるだけである。が、コウガの挑発や威圧系技は、もう物理的に相手を押し倒したり後退させたりできる威力がある。

コウガ「いっちょいくか…【天界に根を張る業火と星光の大樹、古よりの伝説】

   【神話の中で謳われる幻の種族が、ついに天より降臨する】

   【星園に咲く星の花々は、すべてを見ていた】

   【=テラリオン・エレメンタルクロウ】

精霊術系統外スピリットスキル、【臨界者の裁き】。

コウガの持つイフリートの炎と聖属性の効果が、大幅に強化された。

もとよりコウガ自身が持つ【魔聖覇者】のレアアビリティの効果で、彼が使う魔聖剣は使用限界を迎えても砕けない。それが強化されたとなると…

コウガ「じゃ、派手にいっちゃいますか!」 爆炎と金の閃光があたりを塗りつぶす。

これまたレイナに負けず劣らずの敵兵士が吹き飛んでいく。

リミアは国家が丸ごと巨大な1つのテラリアである。主神である軍神アレスがあんなのだからか、いつも敵は高度な策略などは使わず、数と力に任せている。

コウガ「まあ、時として数は質を上回る、ということはあるが、全然進歩がないからなあ、このリミアの軍勢共は。学習してないんだよ」

今回は初級低スペックの光術系【精霊術】と、【臨界者の裁き】だけで十分。



接敵からわずか10分余りで、トロスト東区に向かって押し寄せようとしていた軍勢は、わずかな負傷者を残してイフリートが起こす爆炎と地割れの餌食になった。




次回→2章【迎撃=南】                  END


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