第2章【紅獣眼の聖騎士】3節【鳴動の予兆】

地上のギルドホームへと帰還したコウガ。魔法水晶マジック・クリスタルの大広間には、レイナやほかの仲間達パーティメンバーもいた。

レイナ「コウガ、どうしたの?また異常事態ありえないはずのこと?」

ハルヒ「…………………そういうことですか。なら納得できます」

アキ「ちょっとハルヒ、一人で読心よんで納得しないで…」

コウガ「ダンジョン82階に瘴魔が出た。一体だけだったから倒したが」

アキ「瘴魔デーモンですか!?階級ランクは!?」

コウガ「侯爵マークィス級瘴魔で、強さはLV,9相当だった。ていっても、結構強かったから、【竜気解放ブレス】と炎の初級低スペック【精霊術】使ってしまったけどな」

レイナ「瘴魔が出るなんて聞いたことないわね、やはりなにかあるのかしら」

コウガ「ああ、あと少し尋問してみたら、魔神がなにか企んでるとか」

ハルヒ「…魔神、ですか。瘴魔たちのトップに立つ。」

コウガ「あまり詳しいことは聞けなかったが、地上へ侵攻、というのはわかった」

アキ「瘴魔はそんなことを考えていたのですか…警戒しなければいけませんね」

このとき、4人は気づいていなかった。大広間に並んでいた魔法水晶の1つ「予知の魔水晶クリスタル」が、警告するような光を宿し、その中には、漆黒の巨竜と、大量のモンスターたちがイルメリアの中へと侵攻し、あたりに破壊を振りまく光景を映し出していることを。

コウガ(ほぼ間違いなく…何かが起きる。世界の鳴動の予兆というものか?)

ハルヒ(何でしょう?瘴魔の計画を知れたのに、このぬぐえない悪寒…)

ただ、称号ギフト系アビリティ【時詠み】の力で、コウガとハルヒだけは拭うことのできない原因不明の悪寒を一瞬だけ感じていた。

その原因を知るのは、もう手遅れになったときになるのだが…


蒼穹の館の窓の外、ホームの庭に咲く紅玉桜花ルビー・キルシュの花びらが一陣の突風に吹かれて花吹雪のように舞い散った。

その真っ赤な色をした花びらは、血を連想させるほど妖しい紅色を帯びていた。



次回→第3章【戦場に吹き荒れる暴風】1節(発見)      END

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る