閑話17.4 もし浜辺でおっきしちゃったらどうします?
つつがないわけではなかったが、真由と明日香にオイルを塗り終えて、大輝は達成感から額の汗をぬぐった。
こんな美味しいご褒美はなかなかないと喜びたかったが、爽やかに海を見つめる反面、問題がないわけでもなかった。
「ちょっと先輩、すごいことになってますよ」
翠緑が頬を染めながらも、目を輝かせて大輝の股間を凝視する。もっこりと屹立してしまった息子を誰が責められようか。女子たちの柔肌を堪能したのだ。思春期の男子ならこうなっても仕方が無い。
問題があるとしたら、水着だった。すり替えられていたそれはやたらと伸縮性があって、巨大化したゾウさんが飛び出るようになっている。裸で勃起した上からボディペイントでもしたかのような状態に、大輝は為す術もなく、ただ遠い海を見つめて現実逃避するしかない。
翠緑だけでなく、みんな大輝の股間に興味津々だった。葵と明日香は見ないようにしているがチラチラと視線を向けてくる。真由と美穂、そして未来の3人は遠巻きながら品評するかのようにニヤニヤと見てくる。
まとわりつく視線を覚え、男が女性の胸の谷間を凝視すれば、どこを見られているのかすぐバレてしまうということを実感した。
せめて普通の水着ならただもっこりするだけなのに、これはほとんど罰ゲームと言っていい恥ずかしさだ。
興味津々に覗いてくる翠緑はほとんど裸も同然で、ついついおっぱいの膨らみや股間のあやしいところに視線が吸い寄せられる。誰もいなければ押し倒してしまったかもしれない。
「男の子ってこんな風になるんですね! えっと、中がどうなってるのか見てみたいんですけど。それとも触ってもいいですか?」
「ダメに決まってるでしょ」
にじり寄って迫る翠緑に、大輝は後ずさって叫ぶ。
「でもそれって射精しないと小さくならないし、苦しいんですよね?」
「それ間違った知識だから」
むしろ大輝が押し倒されそうな雰囲気を感じる。
「ちょっとトイレに行ってきます」
三十六計逃げるが勝ちと言わんばかりに、大輝は脱兎のごとくこの場を逃げ出した。
トイレといっても、本当に尿意を覚えたわけでもなかった。林の中で立ち止まり、あたりを見回す。一息つくと、大輝はむずがる息子に目線を落とす。
きかん坊は相変わらず痛いばかりに水着から突きだしている。ただのブーメランパンツかと思えば、こんな仕組みになっているとは驚きである。フィット感の強い水着だから、股間が膨張して苦しいものだ。
そのうち落ち着くとはいえ、そこまで林の中で待っていればいいのかといえば、それは考えものだった。一度は落ち着いたとしても、女子たちの眩しい水着を見れば、また興奮してしまうのは間違いない。
いっそのこと自分ですっきりさせてしまった方がいいのかと思わなくもない。
「大輝、大丈夫?」
突然、後ろから声をかけられて大輝は飛び上がらんばかりに驚いた。
振り返ると息を切らせた明日香が心配そうに見つめてくる。追いかけてきたにしてはタイムラグがあるような気もするが、そこは大きな問題ではない。林の中でパンツを下げて処理している真っ最中に声をかけられなくてよかったと大輝は胸をなで下ろす。
「ああ、うん。別になんともないし」
明日香の視線は自然と大輝の股間に注がれる。大丈夫の意味がそっちの方だと知り、大輝はとりあえず愛想笑いをする。
「でも大輝もすごく怖い顔してるよ? シたくてたまらないんだよね?」
人気の無い林のなか、水着姿の女の子が目の前にいる。ただでさえおっぱいの膨らみが丸見えなデザインだというのに、大輝を心配して前屈みになるものだから、こぼれそうな谷間が余計に強調される。
「いやっ、ほらっ、本当に大丈夫だからっ」
あせあせと手を振るものの、視線は明日香の胸元に吸い寄せられる。
「でもこのままじゃ戻れないよね」
突き出るように勃起する息子をなだめないことにはみんなと合流できないのも確かなことだった。
「トイレで自分でするの? 誰で?」
ちょっとだけ明日香の顔が怖い。漠然とオカズを考えていただけで誰とはイメージしていなかった。とはいえ、本人の目の前でオカズを告白するわけにもいかない。
「大丈夫だから。海でも眺めてればそのうち落ち着くし」
「嘘つき」
明日香の冷たい物言いに、大輝はドキッとする。
同時に明日香は体を寄せてきて、その豊満な胸が大輝の胸に当たる。当然ながら、大輝の息子も明日香のぷにっとしたお腹に当たる。その柔からな感触に脳天がしびれるような感触を覚える。
「先輩ーっ、どこにいるんですかぁ?」
ドキッとして大輝は明日香を連れて、木陰に隠れた。声が聞こえたのと、大輝が彼女の姿を視認したのはほぼ同時だった。
さすがにこの状態を見られるのはマズいにもほどがある。幸いにも、間一髪で翠緑に見つかるという事態は避けられた。
「この辺でオナニーしちゃってるんですよねぇ? 一人で虚しくするくらいなら、翠緑が手伝ってあげますよぉ」
のんびりとした声音で卑猥なことを言う翠緑である。もし明日香がいなければ自首してお願いしたかもしれないが、今、この状態を見られれば言い訳もままならない。
「大丈夫……かな?」
「これで隠れてるつもりってけっこう無理があると思うけど……」
大輝の問いに明日香はじと目で答える。
木の幹の裏にあるわずかな死角に体を隠しているだけだ。いつ見つかっても不思議ではないし、二人が隠れるには木が若すぎだった。
自然と体は密着状態になる。明日香のとろとろのおっぱいは大輝の胸で押しつぶされ、硬くなった先端がぐりぐりと当たる。大輝のいきり立つものも彼女のむっちりとしたお腹に沈み込み、胸ほどではないにしてもふわふわのお肉の感触に、こんな状況とはいえ自然と腰が動いてしまう。
「せんぱーい、早く出てこないと気持ちいいことしてあげませんよー? それとも本当にトイレですかぁ? 男の子なんだから、その辺でしちゃえばいいのに」
翠緑の声が大きくなる。
明日香は体を竦ませ、大輝は明日香をぎゅっと抱きしめる。
「明日香、もっとそっちに行かないと見つかっちゃう」
耳元で囁き、大輝は明日香の体を反転させ、木の幹へと押しつけた。
反転したことでより見つかりにくくはなったものの、大輝のものが明日香の弾力感のあるお尻に当たってしまう。お腹よりも柔らかさは上なものの、それでも達するにはほど遠い。先ほどまでの胸に包まれていた感触を思い出し、大輝は腰を屈めて明日香の股の間にそれを潜り込ませる。
「明日香、ごめん。我慢できない……」
「んっ、んんっー!」
硬いそれが敏感な部分に擦れて明日香はかみ殺した悲鳴をあげる。
「なに考えてるの大輝っ、翠緑ちゃんいるんだよ?」
ボリュームを絞った叱声も、大輝を興奮させるだけだった。肉付きの良い太ももと明日香の敏感な部分に包まれ、まるで本当に挿入しているかのような錯覚に陥る。
「んっ……大輝っ……ダメっ……見つかっちゃう……見つかっちゃうからっ……あんっ」
「大輝……ダメだって……」
口では拒絶しても、突き飛ばすようなことを明日香はしなかった。
翠緑が過ぎ去るまでの時間は長く感じた。
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