第3話〜本が届く〜
ついに手元に本が届く。俺は昔から参考書の前書きが好きだった。
「この参考書はすごいよ!」を長々と、そして理屈をこねくり回しながら書いてある前書きを読んでいるとなんだか頭が良くなった気がしてくる。受験期には大量の参考書を買い漁ったが、中には前書きしか読まなかったものも少なくない。前書きで頭が良くなった気がしていたので、当然大学受験は失敗に終わった。
そんな俺でもラノベを題材にした参考書の前書きを読むのは初めてで、どんな面白いことが書いてあるのかとワクワクしながらページをめくる。
そこには「ウケ狙いのネタ本ではありません」「ハルヒ以外の素材でも成り立つような普遍的なメソッドを追求」など少しズレたことが書いてあった。こんな本を買う層なんて"ウケ狙いのネタ本を買う奇人"か"涼宮ハルヒが大好きな変人"くらいだろうに。
しかし、前書きの後半に差し掛かると「涼宮ハルヒの憂鬱」の登場人物紹介や作品概要、ストーリー解説に作品のポイントまで多岐にわたって作品の魅力が綴られている。編集に関わった人間はハルヒが大好きなツンデレ変人に違いない。
そこまで読んだにも関わらず、メインである英文に触れたのはその2〜3日後だった。前書きで満足する癖はいつまで経っても直せそうにない(´・ω・`)
部屋に閉じ篭もった俺が部屋から出るのはハルヒの続編より先かもしれない @the_melancholy_of_shobon
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