昨今流行りのキャラ文芸がラノベと文芸の中間だとすると本作はキャラ文芸と文芸の中間かなと思います。
角川さんでいくと角川文庫のキャラクター文芸編集部の守備範囲のような気がします。
加納朋子さん系、お店屋さんの謎解き系、ただ単純に日常の謎を好きな人、暗号好きな人におススメの作品。
またガチガチの推理小説は苦手だけどミステリーを読んでもみたいというミステリー初心者にもおススメだと思います。
キャラミスのラノベ的なキャラ立ちとは違い、最初から強烈なキャラはしていませんが、主人公は最初どこにでもいるような大学生から少しずつ優しさと思いやりを持ちつつもちょっと残念なイケメンという立ち位置に。
対する相棒も店長もどんどん人のよさを発揮して謎解きの場の居心地のいい雰囲気を作ってくれます。
肝心の謎の方は0話は軽いジャブ。
1話目2話目でこの話の方向性が分かります。
3話から7話はそれぞれ1つずつ暗号の謎解きをしていくのはそれまでと変わりませんが、通しで1つの物語になっていて、ちょっと切ないのに後口はよくものすごく楽しめました。
中途半端な私の知識で途中までは解けるけど、最後なるほどと思わせてくれたり新しい知識を知れるところが嬉しいし、知識を昇華して暗号を作ってある感じで好感が持てます。
アクの強いキャラクターはいないけど、主人公、店長、友人の三宅さんがいい雰囲気を醸し出していて、続編を読みたいと思わされました。
その時は中編の中学生たちも再登場を願います。
(追記 あ、連載中だからまだ続きがあるのかな? 楽しみに待っています!)