skill 5


莉穏と一緒に下駄箱で靴を履き替え校門を出る。いつもと変わらない下校の時間だが今日は違う。やっとあのゲームができるんだ!

「日向なんかニヤニヤしてるよ?」

嬉しすぎて顔が緩んでいたようだ。まぁそれもしょうがないことと言えよう。

「お前そりゃあニヤニヤだってするだろ?仮想空間でゲームだぞ?ニヤけるだろ」

「んー。まぁ確かに?」

「なんで疑問形なんだよ……」

気の抜けるような返事を返されてこっちまで気が抜けてしまった。

「ものすごくそういえばの話になるんだけどさ、ゲームのタイトル名ってこれなんて読むの?エピ剣〈けん〉?」

「あー、それはエピ剣〈ソード〉ってなるんだって。剣とソードをかけたんだろ。ちょっとダサいけどな」

「な、なんでそんな名前になっちゃったんだろうね……」

「まぁ、このゲームはRPGだからな。RPGっていうのはやっぱり自分が主人公だろ?だから1人1人にエピソードがあり、武器っていったらやっぱり剣…ここで言うならソードになるからだろ」

「な、なるほどね」

納得しているような、呆れてるような表情をする莉穏。そうなってもおかしくはないな。でも、このゲームは絶対に面白いと確信を持てるものだと思っている。なぜなら、仮想世界に入れるのだから……。

そんなことを話していると、片道30分の下校が終わり家に着いた。家の前で分かれてからまたあとで会う約束をして玄関に入った。

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