skill 3
ゲームを買った途端俺らは猛ダッシュで学校へと向かった。それはもう電光石火で。ちなみに俺は四字熟語で電光石火が一番好きだけどな。なんかほんと速い感じがいいよね!……そう思うのは俺だけかな?
『これ間に合う⁉︎』
『いや、分からん!だが、まだ終わらんよ!!』
と、無駄にキメ顔で言う蒼。
『なんか先人の言葉じゃない⁉︎それ!』
なんか機動する戦士っぽいよな。そんなことをしていると、横をリムジンが1台通り過ぎていった。
『あれ、神無月さんの家の車だよな』
『たぶんそうだろうな』
『リムジンで登校とかゴージャス過ぎだろ。おおかた、俺たちみたいに遅刻しそうだったんだろうよ』
神無月は俺たちのクラスメイトだ。リムジンに乗ってるいることからお金持ちだとすぐに推察できると思う。そう、神無月 梓の家はお金持ちである。親がなにを経営しているかというと……。
『日向、やっと目に見えてきたぞ!間に合うかもしれん!』
『おう!ラストスパートだ!』
そう。俺らが通っている私立神無月学園の理事長なのだ。
*
キーンコーンカーンコーン
『『間に合った…』』
2人してギリギリに2-10の教室へ入り、まだ担任が来ていないことを確認し席につく。俺も蒼も席は窓際に位置する。俺は、窓際の1番前、蒼がその後ろという風になっている。蒼の横にはというと先ほど涼しい顔で車に乗っていた神無月梓がいる。今もとても眠そうだ。神無月は、黒髪のロングヘアーになっていて、髪が今は少々ボサッとしていた。
『神無月さんは、また寝坊?』
蒼が話かけている。俺はというと疲れ過ぎて机に突っ伏している状態でなにも言えない。
そんな弱っている俺を横からのチョップで起こされた。
『さすがに、遅過ぎなんじゃないの?また寝坊?』
『違げぇよ。今朝は4時には起きてたよ。これの発売日のせいだ』
そして、俺の横にいるやつに先ほど買ったゲームのパッケージを見せる。
『あー。そういうことね。それで私の分も買って来てくれた⁈』
『買って来てやったよ。てかそれで疲れてんのにチョップするか?普通』
『ゴメンゴメン。忘れてたんだよ』
少し申し訳なさそうにと笑っているやつが俺の幼馴染にしてゲームを買ってこいと俺をパシッた張本人、平織 莉穏だ。髪の毛は焦げ茶の髪でミドルぐらいの長さだ。右耳に髪の毛を少しかけて、左の手首には髪をまとめる時に使うヘアゴムがある。そんなこんな話をしていたら担任が入ってHRとなった。
また長い1日が始まると思うと早く帰ってゲームをしたいと思ってしまうのはこのゲームのせいなのか?
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